挑戦を後押しし、失敗を許容する

2022年度4次隊 セネガル共和国派遣予定 篠宮 隼さん(職種:障害児者支援)
実習場所:島根県海士町

参加の動機

今から十数年前、サッカー少年だったリトル・シノミヤは小学校の卒業文集に「将来はサッカー選手になって、世界の国々を旅して、貧しい国の子たちにサッカーボールを持っていってあげたいです。」と書いた。
なんとも上から目線な言葉だが、自分の心の中にずっと残っていたのは確かで、国際協力に興味を持ったのもこの頃で、いつの日か国際協力の仕事をしたいと漠然と思いながら過ごしていた。だからか、「協力隊に行きたい!」と思ったのも必然だったと思います。
グローカルプログラムへの参加を決めた動機も「夢だった協力隊での活動に活きる経験がしたい!」と単純に思ったからです。また、「障害児者支援」という仕事に携わってきた自分が、「縁もゆかりもない土地」で何ができるのか?と思ったからです。

因屋城跡散策イベントの様子 因屋城跡散策イベントの様子

海士町での活動内容

プログラム参加前に頂いた『グローカルプログラム要望調査票』。
そこには
①小学校教育
②保健医療
③海士町のコミュニティスペースの活用
④モノづくり企画・提案
⑤放課後児童クラブにおける教育支援
⑥療育
と書かれていました。
自分の派遣職種を考えても、海士町でのプログラムに魅力を感じていましたが、実際に僕が海士町で行なった3つの活動のうちの1つは小学校での支援級クラスで教員のサポートを行い、残りの2つの活動先では竹や木々を伐ったりする活動をメインに行なっていました。
と書かれていました。
自分の派遣職種にこだわることもできましたが、海士町に来て、オリエンテーションで実習候補先の方たちからお話を伺いながら、「自分のやりたいことをやる。」のは、なんか違うなと。
そんな言葉じゃ言い表せない小さな違和感が、「自分が主役じゃなくて、地域の人たちが主役なんだ」という協力隊としての心構えを、改めて体感できた瞬間でした。
そんな経緯もあり、僕は3つの活動先を選択し、それぞれの活動先で目標を持ちながらも、3つの活動を繋げることを目指して、3ヶ月間突っ走りました。
毎日が怒涛のように過ぎて、ここには書ききれないほどの出来事がたくさんあり、多くの人たちに出会いました。3つの活動を掘り下げて書きたいですが、割愛します。気になる方はぜひ海士町にお越しください。僕の逸話が残っている…はずです…

活動を通して学んだこと

ジャングルジム設営イベントの様子 ジャングルジム設営イベントの様子

ローカルプログラムの目的に書いてあるような「よそ者として地域に介入し、コミュニケーションを図って、地域の人たちと信頼関係を築いて、地域の人たちを巻き込む」こと。
頭や言葉では分かっていても、実際どうやって巻き込んで、どうやって信頼関係を築いていくのか?そもそも自己満足になっていないか?などなど。押し寄せる課題は山積みでした。

そんな初めて出くわすような課題に対して、できることは挑戦すること。
いつの間にか、挑戦して、その結果失敗することやミスをすることが怖くなっている自分がいました。ですが、海士町で出会った人たちは、僕の提案や企画に対して「いいねぇ」「やってみよう」と背中を押してくれる人たちや、一緒に活動してくれる人たちがたくさんいました。
その結果、失敗したとしても一緒に謝りに行ってくれたり、違う方法を考えてくれたりと当たり前のように許容してくれました。
「何か地域の人たちのために自分ができることをしなきゃ」と勝手に恩返しする姿勢で活動していましたが、自分自身が海士町の人たちに助けてもらったり、手伝ってもらったり、協力してもらうことの方が圧倒的に多かったです。

海士町を離れる日、「思いっきり頼っていいんだよ。甘えちゃいな。」
一人で抱えがちな自分に、そんな言葉をかけてくれた実習先の方々がいました。最後の最後に、そんな大事なことに気付きました。
きっと協力隊での活動でも、失敗すること、うまくいかないこと、想像もつかないことの連続です。
「一人で何かやらねば!」と「協力する隊員」じゃなくて、「協力してもらう隊員」としてセネガルでも活動していきたいと思います。
海士町でお世話になった皆さん、本当にありがとうございました。また海士町で会いましょう。