グローカルプログラムでの経験

2022年度4次隊 ベナン共和国(コミュニティ開発)派遣予定 森田 昂佑さん
実習場所:熊本県人吉球磨地域

2022年10月から12月まで、熊本県人吉球磨地域で活動しました。農林水産業分野での地域おこしへの寄与という目標の下、人吉球磨の農家さんや養殖業の方を巡回しながら実習をおこないました。以下では、グローカルプログラムに参加したことで得られたことを2点挙げさせていただきます。

竹細工職人との活動の様子 竹細工職人との活動の様子

地域の人たちとの関係づくりについて学べる

人吉球磨は、今まで縁もゆかりもない場所でした。そのような場所で、地域の人たちと一から関係を築き上げて、地域に溶け込んでいくという経験は、任地での協力隊活動にも最大限活きてくるものだと感じます。地域の人たちも私も、お互いのことを全く知らない状態から、まず私が誰なのか、何をしに来たのかといった自己開示や、何気ない普段の日常会話などのコミュニケーションから始めていった10月。日々の会話を積み重ねたり、活動に取り組んだりする中で、活動が終わる12月には、「また帰っておいでね」「楽しい時間をありがとう」と言ってもらえるまでに深い関係になりました。3か月という短い間でしたが、地域の人の声に耳を傾けたり、自分自身のこれまでの経験やプライベートの話をしたり、1つ1つのコミュニケーションを大切にして関係づくりをおこなった経験は任地での活動の初めの一歩に繋がっていくと思います。

一緒に活動を創る経験ができる

ヤマメ養殖業の方へのインタビューの様子 ヤマメ養殖業の方へのインタビューの様子

グローカルプログラムでは、活動に際し、実習計画表や実習進捗表を作成します。その過程で、活動先の人たちが何を求めているのか、自分に何ができるのか、実現可能性は高いのかを、活動先の人々と話し合います。実際の活動では、まず、活動先の人々が本当に望んでいることは何なのかということを理解するために様々な質問をしていきました。質問を通して出てきたお困りごとは何と関係があるのか、その問題の根本的な原因は何なのか、それを解決するにはどのような活動が有効かを、活動先の人たちと一緒に模索しながら、少しずつ活動を前に進めていきました。このように、日々活動先の人たちと話し合いながら活動していく経験を通して、協力隊員として派遣された任地でも、どのように活動を創っていけばよいかという全体像が見えてきました。あらゆることを提案したり、失敗したりしながらも、活動先の人たちの求めていることを第一に考えて活動するという考え方や姿勢は、グローカルプログラムを通して培えたものだと思っています。

さいごに

グローカルプログラムは短い期間での活動でしたが、協力隊活動の前に、人とのかかわり方や活動の進め方を現場で、肌で感じて学べる非常に貴重な機会だったと思います。参加して良かったと心から思えるプログラムだったので、皆さんもぜひ参加してみてください。