インターンが見たグローカルプログラム  ⇒海士町の実習の様子はこちらをクリック!

JICAインターン生 西岸 果凛さん
実習場所:島根県海士町

私はインターンが始まるまで、JICAは国際協力のイメージが強く、100%海外にベクトルが向いた組織だと思っていました。そのため、国内に13拠点を構え、国内の問題解決にも力を入れていると知ったときは意外でした。

若者がいなくなり長年使われていなかった神輿を修復する実習生(芦澤実習生・海士町) 若者がいなくなり長年使われていなかった神輿を修復する実習生(芦澤実習生・海士町)

しかし、グローカル取材のために海士町へ出張に行くことが決定し、プログラムについて説明を受ける中で「コミュニティを活性化する」「人を笑顔にする」ということは何も海外に限ったことではない、人口減少と過疎化が進む日本で今こそ求められているのだと気付いていきました。また、それに対して帰国後の国内での活躍も見込み、派遣前のJICA海外協力隊員を地方に派遣するという長期的な視点でJICAが取り組むことにも納得していきました。

そして海士町へ行きインタビューをする中で、実際にグローカルプログラムが町の人に歓迎されていることを目の当たりにしました。例えば、芦沢さんのお神輿の修復の活動は、実習先が20年以上も願ってきたことで、今回初めて実現しました。また、岩井さんが本気米のリブランディングチームに入ったことでチーム全体の行動力が上がったというお話も聞くことができました。

さらに、グローカルプログラムは実習生にとっても非常にインパクトのあるものなのだと感じました。例えば、夏目さんは海士町への愛が溢れるあまり、海辺の集会所「旧あまんぼうはうす」でお茶を飲むイベントをしたい、マッサージのイベントもしたい、ミニ水族館を作り子供たちが海と触れ合うイベントもしたい、魚をさばくイベントもしたい、船小屋の修復もしたい、と奔走した結果、楽しいはずがどこか義務感に変化し、つらい時期があったそうです。しかし、夏目さんはその気持ちを周囲に伝え、取捨選択することで再び日々を楽しめるようになりました。自分から始めたことを中断するというのは非常に勇気がいることだと思います。しかし、それができたのは夏目さんが海士町の人々の温かさを肌で感じ、悩みを伝えられる関係を築いていったからではないでしょうか。予定していた小学校での継続的な歯磨き指導を勝手ながらやめたい、できない、と校長先生に言ったとき、「またいつでも来たらいい。俺たちはいつでもウェルカムだから。ただ、無理はするなよ。」と温かい言葉をかけてもらい、なんとその後に控えていたイベントの告知や学校の一日見学までさせてもらえたそうです。そして、注力できた「みんなでつくろう!水族館」のイベントは大盛況に終わりました。この経験は派遣国に行ってからも夏目さんを支え続けると思います。

グローカルプログラムの取材を通して、「国際協力だけをするJICA」という見方が大きく変わりました。海士町には元JICA海外協力隊員が多数いらっしゃいます。グローカルプログラムで地域に貢献し、地域から学んだ人が、海外で活躍し、また日本に戻って地域に還元する、このような循環を感じました。私も協力隊に行きたいと思っているので、その時はグローカルプログラムからぜひ参加したいです。