次はあなたが主役です。

2023年度3次隊 ガボン国派遣予定 奥村 忠広さん
実習場所:長野県駒ケ根市 こまがねテラス

私は7月10日から9月22日まで、長野県の駒ヶ根市で活動をしていました。駒ヶ根市は中央アルプスと南アルプスの間にあり、登山の名所として多くのアルピニストが行き交う観光地です。市の中心地にある駒ヶ根駅には駒ヶ岳ロープウェイに向かうシャトルバスの発着場があり、駅前商店街にも大きな荷物を担いでいる人の姿が見られました。
しかし、近年では商店街の利用客は少なくなり、また昨今の新型コロナウイルスの影響を受けた登山客の減少も相まって商店街の活気も減退傾向にありました。そうした中で、「商店街の在り方を考えていこう」「地域の人、観光客の居場所となるような街にしていこう」という志を胸に集まった人々がいました。
それこそが、私が配属された「こまがねテラス」でした。

KOMAGANE QUESTポスター KOMAGANE QUESTポスター

こまがねテラスは駅前商店街の店主さんたちや市役所の商工観光課の職員で結成され、Facebookなどで日常的に商店街に関する情報を発信したり、商店街の飲食店がテントを構えて出店を出す「アルプスマルシェ」を開催するといった駅前商店街を中心に街の活性化を目指す組織です。正直配属先が決まったときは「体育教師に商店街の活性化を任せるのか?!」が本心でした。奮闘の始まりです。

店主さんたちは誰しもが個性的かつフレンドリーで「駒ヶ根の街はまだまだやれるんだ!というところをみせたい」といった情熱的なフレーズも飛び出しました。一方で、「昔のような元気はもうないんだよ」「やる気はあるんだけど体がね」といった声も聴こえました。とてもリアルな言葉でした。しかし、「誰か若い衆が旗揚げをしてくれたら、僕らはなんだって協力するよ」「コロナで間が空いちゃったからこれからいろいろやっていこうと思っているんだよねえ。何やってもOK!」という声もあり、保健体育科教員としての知識しかなく悩んでいた自分の背中を押してくれました。体育教師が商店街の活性化のためにイベント企画を立案したのです。

店主さんたちをはじめ多くの方の支えがあり、街中体験型アトラクション企画「KOMAGANE QUEST」を実施しました。内容は、スタンプラリーを軸に商店街に散らばった4つのミッションのクリアを目指すというものでした。集客の目標は10人で及第点、20人で大成功と設定したところ、なんと68名の参加があり大成功に終わりました。スタンプラリー自体は商店街としてもなじみ深い催し物だったみたいですが、街全体を使って子どもと大人が一緒になって遊んでいる光景は初めて見たというお声もあり、嬉しい結果となりました。

グローカルプログラムでは多くのことを学び、自身の成長を感じることができました。正解のない課題に取り組むことは本当に大変でしたが、一生に一度といえる経験だったと思います。お世話になった方々には心から感謝申し上げます。

最後に

河童フェスMC(奥村:左) 河童フェスMC(奥村:左)

さて、質問です。ボランティアとして活動するとき、主役は誰でしょうか。「参加者の声」を書いている私でしょうか。これを読みながら協力隊を志すあなたでしょうか。その答えこそグローカルプログラムにあると思います。