人との関わりの中で新たな自分に出会えました

2023年度3次隊 ガーナ共和国派遣予定 青崎 聖花さん
実習場所:長野県駒ケ根市 ゴッチャ!ウェルネス駒ヶ根

私が海外協力隊を目指したのは、小学生の頃に日本とは異なる環境で暮らす人々の生活をテレビや本で知り、ここのコミュニティの一員に、友達になりたいと思ったのがきっかけでした。背景関係なく全ての人と関われる活動をしたいと思い、看護学部卒業後は行政保健師として働きました。保健師の視点をもって住民と関わることの大切さを感じ、「つなげる・寄り添う」とはどういうことか考えていました。今回の実習では、これまでの経験を活かすぞ!という意気込みで参加を決意しましたが、これまでにない視点を多く得ることになります。これらの学びはどれも人との触れ合いから得たものでした。

かくれんぼイベントの舞台となった商店街 かくれんぼイベントの舞台となった商店街

私の活動先であるゴッチャウエルネスは、スポーツジムであり、地域交流や居場所づくりの拠点の場です。外出や人との交流は健康の秘訣であることは知識としてありました。しかし、どういう時に人は外出したいと思うのかを考えたことがなかった私が初めに立てた計画は、全く街の日常が見えてこないものでした。私に何を求められているのか、難しい挑戦に足を踏み入れてしまったとさえ思いました。とりあえず話をしようと思い街に出てみてから、街の声が組み込まれた計画に変わっていきました。

実際に行った活動は「商店街かくれんぼイベント」「ごちゃ端会議」です。このイベントでは人と人がつながっていく過程を実感しました。イベント後の街の方の感想がヒントになり、イベントに求めることや街にどのような気持ちを抱いているのか、互いに認識できる場が必要ではないかと思い「ごちゃ端会議」を行いました。それぞれ異なる価値観を聞かせていただきました。「あまりにも(私が)真面目にきいてくるもんだから、こっちも本音で話すけど」と言ってくださった嬉しさは、いつまでも忘れられないと思います。

ごちゃ端会議で話し合う姿 ごちゃ端会議で話し合う姿

活動を通して、「日常を知る大切さ」「様々な価値観を持った人や集団の集まりが地域であること」「自分の立ち位置を考えること」「街づくりの延長線上に健康づくりがあること」など、今までにはなかった視点に出会っていきました。地域の価値観は1つじゃなくていい、居場所もいくつもあっていいと思うようになりました。これらの学びを踏まえ、任国や任地に対してだけでなく、目の前の1人1人に対して “知りたい・理解したい”という姿勢を大切にしたいと思っています。それぞれの日常・居場所を守っていけるような活動を任地の方々と共に取り組んでいきたいです。

参加時の意気込みとは裏腹に、保健師の視点だけで関係を築いていく難しさを実感しました。地域にはいる為には、そこに住む1人になる気持ちが必要です。しかし、よそ者だからこそ、日常の中に“きっかけ”を作ることができるのではないかとも思います。任地に住む自分、保健師の自分、よそ者の自分、に向き合う心を持って任地に行きます。私自身の課題である【つなげる・寄り添うとは】にまた一歩進めたような気がします。