人との出会いが自分の可能性を大きく広げるグローカルプログラム

2023年度2次隊 チリ派遣予定 木村 文さん
実習場所:熊本県玉東町役場
自然豊かな玉東町 自然豊かな玉東町

私は2023年4月〜6月の2ヶ月半の間、熊本県玉東町で活動をしていました。玉東町は人口5000人ほどの、熊本県で3番目に小さい町です。玉名市と熊本市という大きな市に挟まれ、以前は合併の話もあったそうですが、自分たちの手で町を発展させる道を選んだことで成功した町です。環境は自然豊かな田舎町ですが、都会に挟まれていることもあり、住んでいる人たちは都会的で先進的な考えをもっているとても魅力的な町です。住民は明るく前向きでさっぱりとしていて、「よそ者」の私たちを温かく迎えてくれました。私自身は横浜・東京という関東の大都市にしか住んだことがなかったので、今回が初めての田舎暮らしでしたが、すぐに玉東町が大好きになりました!

私がグローカルプログラムに参加した理由は3つあります。①純粋な好奇心と、②ボランティア活動をほとんどしたことがなかったこと、そして、③フリーランスとしてコロナ禍から完全オンラインで仕事をしていたので人との繋がりが希薄になっていたことです。派遣前にこのプログラムに参加することで、少しでも不安を解消し、また予行練習になればと参加させてもらいました。

実際に私が行った活動は、ウクライナ避難民の自立支援のサポートです。絵の上手いウクライナ人姉妹がいて、彼女たちが絵を仕事にするためのファーストステップをお手伝いしました。町の施設で絵を展示したり、ポストカードを作って販売しました。それまで彼女たちの絵を見たことがある人はほとんどいませんでしたが、町の人たちに知ってもらうことができました。また、ポストカードもほとんど完売し、需要があることが分かりました。また、同時に玉東町の名産、幻のスモモ「ハニーローザ」とウクライナの伝統菓子「シャルロッカ」をコラボした「ハニーローザシャルロッカ」というお菓子の企画が持ち上がり、彼女たちにラベルのイラストを依頼し味のアドバイスをお願いしたところ、それがヒット商品となり、町外、県外からも多くの人が買いに来てくれました。新聞、テレビ、ラジオからも取材を受け、彼女たちの絵がメディアに載って多くの人の目につくことができ、また、仕事になるほどの技量があることが証明されてとても感慨深かったです。

ウクライナ人姉妹とお菓子コラボ「ハニーローザシャルロッカ」 ウクライナ人姉妹とお菓子コラボ「ハニーローザシャルロッカ」

私がグローカルプログラムで得たものは活動以外にもたくさんあります。一つ挙げると、大勢の海外協力隊OBの方達と繋がれたことです。これまで私の周りには海外協力隊に関係する人は1人もいませんでしたし、国際協力や途上国に理解や関心がある人もいませんでした。ですがグローカルプログラムに参加したことで、同じ隊で派遣させる仲間ができ、また配属先でも受け入れ担当の方をはじめ、多くのOBの方と出会うことができました。先輩方の体験談を聞くことで励まされ、勇気づけられ、夢や希望を膨らませることができました。また、もし現地で困った時に相談できる相手もできました。応援してくれるOBの方々と派遣前に出会えたことは、私とって大きな財産だと思っています。

最後に、グローカルプログラムに参加するか迷っている方へ。もし、参加できる環境にあるのなら絶対に参加した方がいいと思います!グローカルプログラムは蓋を開けてみるまで何があるのかわからないミステリーツアーのようだと私は感じています。そこでどんな活動をするのか、どんな人間関係を築くのか、成功するのか、失敗するのか行ってみないと何もわかりません。そしてどんな経験も、必ず気づきや発見をもたらし、自己成長につながります。海外協力隊を志し、合格した人なら必ず、何かしら掴んで次の人生に活かせると思います。こんな機会は他にはないので是非参加してみてください。