「グローカルプログラム、絶対ここで活動したい!」と私が強く思った場所は、岩手県遠野市の宮守川上流生産組合。ここは6次産業に取り組む農業組合で、農作物を育てるだけでなく加工品製造や販売も行っています。私はコミュニティ開発隊員として、モザンビークで小規模農家の収入向上や生活改善に取り組む予定です。派遣前に現地での活動に近い経験ができると思い、迷わずグローカルプログラムに応募しました。
実習先からは、「自分が課題だと思ったことに取り組んで良い」と快く活動を受け入れていただきましたが、自由に活動できる反面、地域が抱える課題や改善方法について自分で考える必要がありました。当初は「2か月半という短い期間で、私に何ができるんだろう?皆さんのニーズを発掘し、より良い地域にできるのだろうか?」と不安もありました。しかし、地域の皆さんはいつでも優しくあたたかく、よそ者である自分を迎え入れてくださり、早いうちに色々な話をできるようになりました。「地域の皆さんのニーズがある」「自分が出来ること」「自分がやってみたいこと」が重なる部分で活動内容を決定し、産直の新規レジシステムの導入に向けたデータ入力や、情報発信に関わる業務、神楽や児童館での地域の方々と交流等、色々と取り組ませていただきました。
その中でも、組合が運営する産直「サンQふる郷市場」でのライトアップイベントは、たくさんの方に携わっていただき実現した思い入れのある活動です。きっかけは、2023年1月にも同様のイベントを行った際、より参加者が楽しめるイベントにしたいとの声が組合の職員から上がったことでした。今回は遠野市のNPO法人や、他のグローカルプログラム実習生のご協力も頂きながら、組合、サンQ、地域の皆さんと相談を重ね、イベントを企画しました。当日は小学生とその保護者を招待し、サンQと棚田の飾りつけ作業に加え、縁日ブース、食販やおふるまい、花火やキャンドル点灯式といったプログラムを楽しんでもらいました。様々な人が関わったことで新しいアイデアや取り組みが出て、地元の方から「またやりたい」と言葉をかけていただけるようなイベントになり、とても嬉しく思いました。一方、イベント終了後に準備不足だった点も見つかり、イベント運営の難しさも実感しました。
グローカルプログラムでは自分で課題を見つけ、改善方法を考え形にし、活動を振り返る、まさに協力隊としての活動そのものを経験できます。成功も失敗も、活動中に気付いたこと、全てが自分にとって糧となります。私も、ここで得た経験は必ず現地で活かせる、そんな気持ちになりました。そして何より遠野市で、宮守での実習で本当に良かった!と思える2か月半でした。参加される方は、きっと実習先を大好きになって、以前の自分よりも一回りも二回りも大きくなって帰ってくるはずです。思いがけない発見や学びがあると思います!ぜひ参加してみてください!