なぜ、グローカルプログラムが実習生を成長させてくれるのか。
~馬から学ぶ自分との向き合い方~

2024年度1次隊 スリランカ派遣予定 江原 崇裕さん
実習場所:岩手県釜石市 一般社団法人三陸駒舎

グローカルプログラムに参加しようか悩んでいる人へ、一番に伝えたいです。悩んだ時点で、参加しましょう。きっとこのページを開いた方は、何かに惹かれ、プログラムに少しでも興味を持っている方だと思います。気がかりになるのは、今の仕事や生活環境の変化、親しい人間関係では無いでしょうか。私自身、仕事を早期に辞める決断と親しい人との話し合いを何度もしました。そして、周囲の理解を得て、このプラグラムに参加して得られた経験は、私のかけがえのない財産です。人生は1度きりです。ドキドキを感じている自分の心に正直に行動されることをおススメします。

私の主な実習先は、馬を活用した福祉事業を展開する「三陸駒舎」でした。三陸駒舎は、障がいを持った子ども達が、月延べ200名利用しています。子どもが来ると、スタッフが聞きます。「今日は何をする?」。すると、子ども達は、料理や焚き火、トランポリンや馬との触れ合い等、自分のやりたいことを主体的に選び、とてもイキイキとした表情で取り組みます。

そんな子ども達とのステキな時間を過ごしながらも、壁に直面しました。”ルールを守らない子どもに、強くダメなことだと伝えられない…“正確には、ダメだよとは言っていましたが、それ以降の子どもに行動変化が無かったのです。それでは伝えたことにならないとスタッフの方に言われてからも、私の行動はすぐには変わりませんでした。なぜなら、人に嫌われる行動をしたくないという私の弱みがあったからです。その弱みと向き合わせ、改善させてくれたのが、驚くべきことに馬でした。

引馬の様子 引馬の様子

馬は、人の気持ちを読み取り行動する繊細な動物だと言われています。引き馬といって、リードを持って馬と一緒に歩くだけの行為でも、馬は人の心を鏡のように映して動きます。自信が無い人だとうつむき加減で、悲観的な人だとトボトボとした足取りで。私の場合は、動きませんでした。リードを強く引くと馬に嫌がられるのでは無いかと臆病になっていたからです。その後、何度も引き馬に取り組み、スタッフにアドバイス頂くことで自分の状態を客観視できるようになり、遂には馬が動いてくれました。その時、自分の弱みと向き合った末に訪れた馬の姿から自信を得られたことを実感しました。そして、子どもの行動変化を促す声掛けができるようになり、自信をつけた私は、利用者の保護者と三陸駒舎の接点をつくるための食育イベントの開催や馬や子どもからの学びを伝えるためのコラム作成に、精力的に取り組みました。

実習先の三陸駒舎 実習先の三陸駒舎

三陸駒舎では、馬もスタッフも本質的な気づきや学びを与えてくれます。そこに変な遠慮や取り繕いは無いので弱みの核心を突かれますが、そんな自分と向き合い続ければ、必ず成長に繋がります。そして、この経験で身に着けた力は、海外に行ってからも自分を根幹から支えてくれると確信しています。是非、海外派遣前に自分を知り、成長するために、岩手県釜石市に行くことをおススメします。