私の実習場所である鳥取県南部町は、私の地元でもあります。大学を卒業して11年間地元を離れていたため、その間に変わった新しいことを知り、帰国後の地域貢献にもつなげられたら…との思いがありました。しかし実際に参加してみると、新しいことよりも、元からあった地域の魅力や地域の資源に気づく機会となりました。
今回私を含め4人の実習生でシェアハウスでの共同生活をしながら、南部町で活動を行いました。日中はそれぞれ別の実習先で活動し、休日や夕方以降に宿泊先がある地区での活動も行いました。その地区はグローカルプログラムの実習生が入るのは初めてで、初めはお互いに緊張感がありましたが、活動を重ねるごとに段々と関係性が出来、実習期間半ば頃には会うとほっとするような関係性になっていました。南部町は人口減少が進んでおり、関係人口を増やすことに力を入れていますが、実際には町内でも地区ごとに温度差があり、外から人が来ることに慣れていない地区では抵抗感を感じられる方も少なくありません。地域の方々から言われたことで印象に残ったのは、「君たちが来てくれて外から人を受け入れる心構えが出来た」という言葉でした。実習期間、私たち実習生も一生懸命でしたが、地域の方々も楽しませて帰らせたいと一生懸命接してくださいました。
私の実習先である「JOCA南部」では、「ごちゃまぜ」をキーワードに年齢や国籍、疾患・障害の有無等に関わらず多様な人々の交流を生み出す活動を行っています。私はそのJOCA南部で、「子ども第三の居場所」と「配食サービス」の2つの事業に関する活動を行いました。実習先から活動に関しての要望は頂いていたものの、具体的にどんな活動をするかは自由に考えることが出来たため、これまでの自分の経験も活かしつつ、やったことの無いことにもチャレンジ出来ました。活動の中で「出来たこと」は自信になり、「出来なかったこと」は任国に旅立つ前に更に学びたい課題として明確になりました。
75日間という実習期間は地域のために何か成果を出したいと考えると、とても短く感じ、常に焦ったり悩んだりした日々でした。一方で、大変なことがあるからこそ周囲の助けをとてもありがたく感じ、大切な思い出も沢山出来ました。他の実習生や調整員とのコミュニケーションからも刺激や学びが多くあり、任国での活動に向けて少しずつ心構えが出来てきたように思います。
活動を通して、任国コロンビアに派遣中も帰国後も繋がりたい方々と多く出会い、「元気で帰って来いよ」「コロンビアでも南部町のことを思い出してね」等とあたたかい声をかけて頂きました。グローカルプログラムに参加したことでこのように多くの縁があり、参加したことで任国での活動をより充実させられる自分になれたように思います。無事協力隊の2年間を終えて帰国し、実習中に出会った方々に胸を張ってまた会いたいです。