涙の「行ってきます」

2024年度2次隊 キリバス派遣予定 髙原 真佑さん
実習場所:埼玉県横瀬町 株式会社ENgaWA

活動に参加した動機

人生で最も日本を感じた時間でした。愛知県名古屋市出身の私は、これまで地域や日本全体に対する関心が薄かったのですが、横瀬町での経験を通じて日本という自分の国に対する愛情が芽生えました。3月に大学院を卒業した私は、派遣前訓練までの時間を有効に使い、少しでも自分の経験値を高めたいと考えていました。バイトをしてお金を貯めることも一瞬考えましたが、それ以上に経験を得たいと思い、グローカルプログラムに参加することを決めました。プログラムが終了した今、貴重な経験と”一生つながり”を得ることができました。私のことを心配しつつも全力で応援してくれる人々の存在が、家族や友達以外にもいることがどれほど心強いものかを実感しています。

実際に行った活動

実習生の任国料理イベント 実習生の任国料理イベント

私は「人と出会い、人と繋がり、未来に繋げていく」をテーマに活動していました。主な活動内容は、高齢者向けのスマホ/PC教室のアシスタント、モザイクアートの作成、そして動画作成です。人と繋がるという点で、地域の畑や田んぼの手伝い、児童館で子どもと遊んだり、地元の食材を使った料理を一緒に作ったり、JICAの他国から来た研修生と一緒にイベントの準備をしたり、草刈りをしたり色々な体験をさせていただきました。これらの活動を通じて、多くの地域の方々と交流し、信頼関係を築くことができました。

活動から得た学び

武甲山の笑顔写真モザイクアート 武甲山の笑顔写真モザイクアート

自分がしたいことも大切ですが、まずは一緒に作業や体験をして時間を過ごし、信頼関係を構築することが重要だと学びました。そして、この人に協力したいと思われる人間になることが目標でした。モザイクアートのプロジェクトでは、約7600人の人口を持つ横瀬町で、1ヶ月で1304枚の写真を撮影し、作品を完成させるという厳しいチャレンジを達成しました。多くの人々の協力を得て、完成の喜びを共有することができた瞬間が一番の学びでした。この経験を通じて、協力し合うことの大切さを実感し、頭で理解するだけではなく、実際に経験することで初めて身につけることがきた気がします。

プログラムの成果と感想

横瀬町から見る寺坂棚田越しの武甲山 横瀬町から見る寺坂棚田越しの武甲山

最終報告会では、出会った多くの人が集まり、感情がこみ上げる中、終始涙の「行ってきます」となりました。75日間で人はこんなにも深い絆を築くことができるのだと自分でも驚くほどでした。これらの経験はグローカルプログラムだからこそ得られたもので、心の底から海外協力隊前に参加して良かったと思っています。私の人生のお気に入りの選択肢の一つです。
この経験を通じて、私は協力隊員としての活動に向けて多くの学びそして繋がり、自信を得ることができました。特に、人とつながり、共に働くことで得られる信頼関係の重要性や、地域の課題に対して自分がどのように貢献できるかを考える力を養うことができました。これから協力隊・グローカルプログラムに参加を検討している方々には、ぜひこの貴重な経験を前向きに捉え、自分自身の成長と新たなつながりを築くための一歩として挑戦してほしいと思います。