私は「子どもや若者が安心して集い、学びや気づきを得られる場をつくりたい」という思いから、グローカルプログラムに参加しました。
メーカー勤務を経て、NPO法人で学習支援や居場所づくりに携わった経験から、“人が何かを学ぶには、まず関係性づくりが大切”と実感しました。派遣予定国ヨルダンで環境教育に取り組むにあたり、地域の人々と協働しながら活動を築く力を磨きたいと考えました。
北海道芽室町を拠点に、町民活動拠点「ゆないとべーす」や社会教育のひとつである「ジモト大学」の認知度向上やイベントの企画運営に取り組みました。地元農家と連携したポップコーンイベントでは、地産地消や環境問題(お菓子包装のごみなど)を身近なテーマとして伝える工夫をしました。また、多世代を対象にアンケートを実施し、子どもから大人まで120件の「居場所ニーズ」を集めることができました。さらに教育・福祉分野の関係者との会食や、地域文化である太鼓の練習に参加し、住民の方々と信頼関係を深めながら活動を広げました。
一番の学びは「まずは人に受け入れてもらうこと、信頼関係を築くこと」が活動の出発点だということです。イベントや調査を通じて、地域の声を聞きながら形をつくる過程は、ヨルダンでの環境教育に直結すると感じました。また、「楽しさ」や「日常の体験」の中に学びを自然に組み込むことが、目の前の相手にとってなんらかの影響につながるという気づきは、今後の協力隊活動に必ず活かしていきたいです。
グローカルプログラムは、海外に行く前に「地域に入り、協働しながら試行錯誤する経験」を積める貴重な機会です。活動の規模は大きくなくても、住民の声に耳を傾け、信頼を築きながら動くことが、派遣国での活動の確かな準備になると実感しました。ぜひ多くの方に挑戦していただきたいです。
こども活動関係者との交流会
地域住民の方との懇親会で
カチャーシーを踊っている風景