任国派遣前に経験した“分からない”からの第一歩

2026年度1次隊 パプアニューギニア派遣予定 小林雄斗さん
実習場所:愛媛県宇和島市 宇和島市社会福祉協議会(楽校うらしり)

① 参加の動機と背景

私は、コミュニティ開発という職種で派遣を控える中、「何が課題か分からない状態から、どう動き出すのか」という点に不安を感じ、グローカルプログラムに参加しました。これまで、学ぶ機会はあっても、実際の地域に入り、一から課題を見つけていく経験は十分ではありませんでした。任国に行ってから戸惑うのではなく、そのプロセス自体を事前に経験しておきたいと考えたことが参加の理由です。

② 実際に行った活動

活動先は、廃校を活用した地域拠点である「楽校うらしり」でした。立ち上げ間もないこともあり、地域住民との関係性や利用の広がりに課題がありました。まずは住民の声を聞くことから始め、施設をどのように捉えているのか、何を求めているのかを丁寧に拾っていきました。その過程は関係性の構築にもつながりました。また、住民に「参加者」ではなく、「担い手」として関わってもらうことを意識し、子ども向けの外遊びイベントや炊き出し企画を実施しました。実際に「地域の中に入ってきてくれてありがとう」「昔はこうやって集まっていたよね」「またこういう機会がほしい」といった声があり、場が少しずつ地域に開かれていく手応えを感じることができました。

また、今回は私ともう一人の実習生で、同じ活動先に入りました。活動の中で、自分とは異なる視点やアプローチに触れる機会が多く、自分一人では選ばなかったであろう関わり方や判断に気づくことができました。考え方の違いをすり合わせながら進めることで、より多角的に地域を見ることができたことも、大きな学びの一つでした。

子ども向けの外遊びイベントの一風景 子ども向けの外遊びイベントの一風景

炊き出し企画の一風景 炊き出し企画の一風景

③ 活動から得た学びと今後への活かし方

一番大きかったのは、「何が課題か分からない状態から動き出す経験」を派遣前にできたことです。正直、派遣前に“何をしたらいいか分からないまま現場に立つこと”に不安がありました。今回の活動でも、最初から明確な課題があるわけではなく、住民の声を聞きながら手探りで方向性を探る必要がありました。また、地域特有の人間関係や習慣の中で、外からの提案がすぐには受け入れられない難しさにも直面しました。その中で意識したのは、この活動を一過性にせず、「実習生だからできたこと」で終わらせないことでした。そのために、実施した内容や意図を文章として残し、誰に何を引き継ぐのかを考えながら進めました。この経験を通して、「分からない状態でも一歩ずつ進めばいい」という感覚とともに、活動を“次につなげる視点”を持てたことが、不安の軽減につながっています。任国でも同様に、明確な答えがない状況から始まる場面は多いと思いますが、その中でも試行錯誤しながら前に進み、次につなげていくための土台を得られたことは、このプログラムに参加する大きな価値だと感じています。また、ここが忘れられない、特別な場所となりました。