いつか自分の培ってきた技術が世界のどこかで役に立つ時がきたらと２７年間思い続け、子育てもひと段落がついた昨年に早期退職し、美容師の職種に応募し合格しました。
グローカルプログラムは、鳥取県南部町の説明を読んだ時に、面白そうだからやってみたいと単純に思いました。そして、とにかく今迄とは違う環境で色々な事に挑戦してみたいと考えました。
お世話になった児童館職員の活動はもう一人の実習生の田辺さんと２人で行いましたが、受け入れ先であるJOCA南部は、年齢、性別、国籍、障害や疾病のあるなしにこだわらない「生涯活躍のまち」作りを目指し「ごちゃまぜ」をスローガンに地方創生を目的とする活動を行っています。そのJOCA南部からのミッション「南部生涯協力隊を５０人登録する」という目標を第一に、そのために自分の今迄培ってきた特技を生かして、「南部町の人たちを笑顔にする」を第二の目標とし活動しました。
この南部生涯協力隊とは、ボランティア活動者として登録していただき、町作りに関心をもってもらい、自分の生きがい・やりがいを見つけたり、人と人とのつながりを作るきっかけにしたりするというもので、週に１回、１時間程度、月に４回以上ボランティア活動を行う事が要件となります。そして隊員になると６月１１日にオープンした南部町の温泉施設「法勝寺温泉」の入泉料がいつでも無料になるという特典があります。
この活動をメインとして行うにはまず、沢山の人にお会いし耳を傾けて頂かなければなりません。ある日突然やってきた何者かわからないよそ者の話をどうすれば聞いて頂けるか？それを念頭に私たちは毎日活動しました。
とにかくきっかけを作ろうと、午前中は地域の様々なコミュニティや集まりに積極的に出かけ、午後からはグループホームに行き、入所者さんと体操やお話をした後、児童館で、子供たちの宿題を見たり、一緒に遊んだりしました。
2人で作成した生涯協力隊のまた、私は自分の美容の技術を活用し、ネイルサービスやメイクのデモンストレーションを行いました。
ただ、もっとアピールをする効果的な方法はないかと二人で考え、南部生涯協力隊や私たちをPRする特大パネルを作りました。効果は絶大で、持参すると皆さんが自然と集まり、お話が次々広がりました。ちょうど温泉施設のオープンとも重なり、毎日多忙ではありましたが、たまたま知り合った人がきっかけで思わぬ人と繋がったり、どんどん人の輪が大きくなったりしました。結果として南部生涯協力隊の５０人の登録は達成し、その後も増え続けています。
また、地域の人に楽しんでもらおうと職種にこだわらないイベントを二人で考え、児童館まつりを開催しました。１カ月ほど前から、子供たちや、職員や、保護者の方が皆さん協力して下さり、当日は１００人を超える方が来館しました。
全く見ず知らずの土地で、ここでは今、何が必要とされていて、自分はそれに対してどうすればよいのかという場面に沢山遭遇しました。そして、考えた事を具体化すること、自分の固定観念をなくすこと、何より、周りを巻き込んで一緒にすること、を学びました。田辺さんと共に活動した鳥取での３か月間は、とても実り多く、また職種の範囲に留まらない貴重な体験をすることが出来ました。
