理学療法士としてブータンへの派遣予定となりましたが、病院以外での勤務経験がないため、協力隊員として活動するにあたり不安がとても多かったです。住んだことのない土地で、決められた仕事ではなく自分がどこまで通用するのかを試したいと思い、グローカルプログラムへの参加を決めました。
日本一人口の少ない鳥取県の自然豊かな里山である南部町で、就労支援・グループホーム・児童の放課後デイサービスや学童など、福祉に関わるさまざまな取り組みをしているJOCA南部に配属となりました。活動の目標として
① 就労支援と生活介護の新たな拠点となる温泉施設のオープンに伴い、地域でボランティア活動に協力してくださる『南部生涯協力隊』のメンバーを50名集める。
② 自分の職種である理学療法の知識や技術、また趣味である製菓の技術を活かして地域に貢献する。という2つを掲げ、2022年4月から6月まで3ヶ月間の活動を行いました。
たくさんの方とお知り合いになるため町内のイベントに参加させていただき、田植えやちまきづくりなどを経験することができました。また、地域の公民館で自分の理学療法の知識を活かして健康相談に乗ったり、高齢者の集いで認知症予防のために頭を使いながら身体を動かす体操の指導をしたり、グループホームで体力向上のため毎日できる体操を考案し一緒に行ったりと充実した毎日を送ることができました。活動の終盤には『児童館まつり』と称し児童館で子供から大人まで集まれる体験型のイベントを企画し、同期隊員と協力して地元の方々にお菓子作りやネイル、アートメイクを楽しんでいただきました。結果として、始めに掲げた目標はどちらも達成することができました。
活動の中で、今まで知らなかった日本の文化を学ぶことができ、派遣先で活かせる貴重な経験ができました。また、0から計画し実行するという経験の中で、自分のやりたいことをするのではなく、地元の方が何を求めているのかを聞き考えた上で、自分にできることを行うことが大切であると気が付きました。これは派遣国でも共通することであると思います。更に、グローカルプログラムに参加したことで、鳥取にも自分の今後の活動を応援してくださる方ができ、嬉しい気持ちとともに、気が引き締まる思いです。派遣前訓練の前に同期隊員やたくさんのOVと知り合うことができ、わからないことや不安を気軽に聞くことができたのもとてもありがたい環境でした。
非常に充実した密度の濃い3ヶ月を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。協力隊の派遣より帰国した際には、必ず活動の報告を行い、少しでも南部町への恩返しをしたいと考えています。