地域でしかできない経験

2022年度3次隊 セネガル派遣予定 藤戸 拓実(職種:数学教育)
実習場所:島根県海士町
海難者慰霊祭当日、28年ぶりに執り行われました。 海難者慰霊祭当日、
28年ぶりに執り行われました。

私は2022年7月から9月末まで、島根県の海士町でグローカルプログラムに参加しました。参加した動機は、国内の地方創生について興味があったこと、JOCVとして任国に派遣される前に、日本について見つめ直し、国内課題について知りたいと考えていたことがきっかけでした。受け入れ先は隠岐島前森林組合で、海で亡くなった方々を祀っている海難者慰霊塔の整備及び、海難者慰霊祭の開催、また整備中に切った竹を活用してワークショップやイベントを行いました。これらの経験を通して、イベントの企画運営や、地域課題の解決を実践的に学ぶことができました。

私は数学教育が専門でしたが、海士町で活動する際に、自分の専門分野以外で海士町でしかできない経験、今までにしたことがないことから任国でも活かせる知識や技術を身につけたい、と受け入れ先を決める前に考えておりました。

森林組合での具体的な活動は、主に①海難者慰霊塔の整備、②慰霊祭の企画・運営・実施、③地域住民を巻き込んだ、竹を活用したワークショップの開催、④地域住民が作成した竹灯籠を使用して、竹あかりイベントの開催を目標に活動をしました。

牧場の牛と一緒に海士町グローカルのメンバーで写真を撮った一コマ 牧場の牛と一緒に海士町グローカルの
メンバーで写真を撮った一コマ

このグローカルプログラムを通して、地域の課題を発見・解決すること、また、計画を策定しPDCAサイクルを体系的に実践できることが魅力です。自分の専門分野以外でも地域のためにできることは何か、一度立ち止まって考えることで見えてくるものがあると思います。

3ヶ月という短い期間の中で、できることは限られています。海士町には、活動に協力してくださる地域の方々、受け入れ先はもちろんですが、何より私たちグローカルプログラム実習生を応援してくれる方がたくさんいます。アットホームな雰囲気の島だからこそ、積極的に取り組むことができたと感じています。また、活動全体を通して、関わってくれた方々だけでなく地域住民とお話をする場面がたくさんありました。コミュニケーションを通して、信頼関係を築いていき、その信頼関係ができて、やっと地域のニーズが見えてきます。そのため、コミュニケーションや信頼関係を構築していくことの大切さは、言語は違えど、どの国に行くとしても必要不可欠です。積極的に現地の方々とコミュニケーションを取り合い、地域に寄り添った活動をしていくという姿勢を学べたことはグローカルプログラムに参加して大きな学びとなりました。

このプログラムがなければ、海士町について知るきっかけがなかったと思います。島で出会えた方々は、私にとっての財産となりました。セネガルに行っても、海士町とオンラインで交流を続けたいと考えています。3ヶ月の出会いと学びを任国で活かし、これからも出会う人との繋がりを大切にしていきたいです。皆さんもぜひグローカルプログラムに参加し、多くのことを経験して任国での活動に繋げてください。