青年海外協力隊事務局が帰国5年後の隊員に対して行う実感調査アンケートに「隊員経験を通じて獲得が期待される19の資質・能力」がある。この資質・能力について知ることは、派遣国で活動している隊員の役に立つはずだ。そこで下記4人の先輩隊員に取材し、協力隊経験を通じて「身についた」「発揮されている」と感じる力は、どんな時期に、どんなことがきっかけで身についたのかを教えてもらった。
1.主体性:物事に進んで取り組む力
2.働きかける力:他人に働きかけ巻き込む力
3.実行力:目的を設定し確実に行動する力
4.課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
5.計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
6.創造力:新しい価値を生み出す力
7.発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
8.傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
9.柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
10.状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
11.規律性:社会のルールや人との約束を守る力
12.ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
13.外国語でのコミュニケーション能力
14.異文化理解・活用力:異文化の差の存在を認識し、異文化の差を良い悪いと判断せず、興味・理解を示して柔軟に対応すること。また多様な人々の強みを認識し、それらを引き出して新しい価値を生み出すこと
15.現場力:持っている技術や知見を環境に合わせて創意工夫し実践する力
16.リスクマネジメント能力:健康や安全管理をはじめとするさまざまなリスクを事前に予測し、その回避や軽減のために周囲の環境や自己を管理・運用する力
17.へこたれない力:困難な状況でも諦めずに努力する力や、物事を前向きに捉える力
18.自己肯定感:自分の在り方を積極的に評価でき、自らの価値や存在意義を肯定できる力
19.社会貢献意識:社会のために役に立ちたい意欲
※「隊員経験を通じて獲得が期待される19の資質・能力」は、JICAが設定したもの。過去の調査研究や資料において、隊員の資質・能力に係る記述を確認し、類似するものを24の要素にグループ化し、分析して設定した。2019年度~21年度の帰国5年後の隊員に実感調査を行った結果は、以下の「JICAボランティア事業第4期中期計画評価報告書概要」で公開されている。
https://www.jica.go.jp/volunteer/outline/publication/report/pdf/evaluation_02.pdf
Text=池田純子 写真提供=ご協力いただいた各位