訓練所の中庭。屋内外に多くのフリースペースが設けられていて、課外の時間には自習や読書、仲間たちとのおしゃべりなどをして自由に過ごすことができる
JICA海外協力隊の募集選考を通過した人は、各自の派遣国へ赴任する前に、約2カ月半の合宿形式での「派遣前訓練」に臨むことになります。訓練施設は長野県の駒ヶ根青年海外協力隊訓練所と福島県の二本松青年海外協力隊訓練所の2カ所あり、いずれも市街地から離れた自然豊かな環境の中、訓練に専念できる立地です。今回は、駒ヶ根訓練所を訪ねました。
横田隆浩所長
駒ヶ根青年海外協力隊訓練所
パプアニューギニア/村落開発普及員/
1998年度1次隊・群馬県出身
派遣前訓練は、協力隊合格者が等しく参加する最初のプログラムです。一番多いのは語学に割く時間ですが、単なる語学スキルだけでなく、派遣先の人々とコミュニケーションする姿勢が身に付くよう構成されています。異文化理解のための各種講座はもちろん、全国から世代や背景の異なる方々が集まって共同生活をする環境自体が、他者との向き合い方を学ぶ実践訓練といえるでしょう。
また、「協力隊事業に参加するとはどういうことなのか?」ということも訓練で知るべき大切な要素です。“個人”の発意から応募した皆さんが、協力隊という公的な“集団”の一員になる。それを各自の中に落とし込む上でも、訓練生として過ごす時間は大切です。農家や福祉施設でお手伝いする「所外活動」や交流イベントなどで地域住民と接する体験が「協力隊員」という立場で見られるマインドセットにもつながると共に、大勢の関係者からの期待と見守りの中で赴任するのだ、という意識も感じられるはずです。
昨今の不透明な世界情勢の中、協力隊が紡いできた「信頼で世界をつなぐ」という価値を受け継いでくれる方に事業へ参加していただければうれしいです。信頼とは共感から生まれるもので、共感は相手と共に真摯な姿勢で何かに取り組むことで培われます。隊員生活の第一歩として、そうしたことも訓練所で学び、世界へ旅立ってほしいと思います。
主な 訓練内容 |
- 語学授業…1クラス数人の少人数指導で、訓練期間中に200コマ前後を受ける。加えて、語学自習の時間として別途65コマ前後が割り当てられている。
- 講座…異文化理解や活動手法、健康・安全管理など、現地での活動に必要な知識や技能を学ぶ。また、訓練生がオンラインで先輩隊員とつながり、現地の生活や文化、活動の様子について話を聞くことで、任国での活動への理解を深める「任国事情」の講座などのプログラムも実施している。
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訓練の 実施時期ほか |
- 訓練時期は1次隊が4~7月、2次隊が9~11月、3次隊が1~3月。2026年度の訓練期間は各73日間の予定。授業や講座は1コマ50分で午前が3コマ、午後が4コマとなる。
- 派遣予定の地域により訓練所が分かれる。
- 駒ヶ根訓練所:主に大洋州/中央アジア・コーカサス/南アジア/中南米/アフリカ(仏語圏)
- 二本松訓練所:主に東南アジア/東アジア/南アジアの一部/アフリカ(仏語圏以外)/中東・欧州
※欧州は人数次第で駒ヶ根での訓練となる場合もある
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※本内容は2026年6月現在の内容に基づいており、制度改正などにより変更される場合があります。
Text=飯渕一樹(本誌) Photo=阿部純一(本誌)
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