ジブチ/青少年活動/2018年度1次隊・茨城県出身
大学卒業後、地元である茨城県の公立中学校で英語教員として6年間勤務。2018年からジブチに赴任し、復職後、23年には鳴門教育大学大学院進学。24年から在コンゴ民主共和国日本国大使館草の根委嘱員、26年からJICAつくば地球ひろばに勤務。
隊員として派遣されたジブチでフランス語を習得し、その後のキャリアでも生かしてきた遠藤浩之さんだが、赴任当初は「周囲の人が何を言っているのか全く分からなかった」と振り返る。
日常会話ではソマリ語などの現地語も飛び交うが、活動先の地域開発センターではフランス語で活動を実施。日本の児童館のような位置付けの施設で、遠藤さんは言葉が分からない中、日本語教室やスポーツ大会、環境教育などさまざまな活動に取り組んだ。「自由な雰囲気の中、思い付く企画はどんどん提案し、言語についても分からない言葉があれば、子どもや同僚を捕まえて尋ねました」。単語をメモしたり周囲に話し掛けてアウトプットの場面を増やしたり、徐々に意思疎通ができるようになっていった。
そんな任期の後半、遠藤さんは任国外旅行でフランスへ行き、パリの語学学校で集中的にフランス語を学ぼうと考えた。
「同期隊員から、語学力向上のために任国外旅行を活用してフランスへ行くつもりだと聞いて刺激を受け、自分も挑戦しようと思いました」
インターネットで語学学校を検索して数日間のプログラムに応募。学校の選択肢は膨大にあったが、日本人が少なく多様な国籍の人と一緒に学べる環境を選んだ。
しかし、いざ授業が始まると、フランス人講師が話す言葉はなかなか聞き取れない。ジブチ人とは発音が異なり、話すスピードも速かった。
「非常に打ちのめされました。ジブチでの活動ではある程度限られた語彙や知識で何とかなっていましたが、自分の語学力はまだまだなのだと痛感しました」
また、ブラジル人やトルコ人など、同じ非ネイティブのクラスメイトと共に学んだことも遠藤さんに深い印象を残した。
「私よりボキャブラリーが少なそうな受講者もいましたが、みんな単語や文法が分からなくてもガンガン話していました。それでも会話が盛り上がるので、積極的な発話が大切だと改めて感じました」
「もっと話せるようになりたい」。そんな意欲が湧いた遠藤さんは、ジブチに戻るとリスニング力を鍛える学習を増やし、同時に語彙力の強化を図った。例えば、日本語教室で活用するフランス語のプレゼン資料は、より多くの単語や文章を入れ込むなど工夫。また、全センターを統括する配属先に日々の取り組みを週報として提出したり、センター長が集まる会合で企画書を作って提案したりと、定期的なコミュニケーションを習慣化した。「“自分のためより、誰かのために”という一心での活動が、一層の語学力アップにつながりました」。
任期終盤にはフランス語の国際資格・DELFのB1に合格し、最終報告会ではフランス語で堂々と活動の成果を発表した。帰国後は、再び仏語圏アフリカで働く機会も得て、DELFのB2にも合格。「隊員時代に身に付けたフランス語を生かしたい」という思いが、遠藤さんの今につながっている。
Text=新海美保 写真提供=遠藤浩之さん