小川 蘭(おがわ らん)さん 青年海外協力隊 卓球 派遣国:ザンビア・フィジー 派遣期間:2005年10月/2008年3月~2010年6月

※派遣名称は派遣当時のものです。

スポーツと国際協力の二軸を自身の強みとして、
日本や世界の子どもたちに、スポーツの魅力を広めたい。

2019.02

学生時代は短期で、卒業後は長期で青年海外協力隊に。
卓球の指導者として、子どもたちをリードした。

「パシフィックミニゲームズ」の表彰台で笑顔を見せる選手たち

学生時代に、知人の紹介で青年海外協力隊の短期派遣に参加した小川さん。小学生から続けていた卓球を生かして、ザンビアの学校で指導を行いました。大学卒業後は、公務員試験に挑戦し、企業への就職も経験しましたが、再び国際協力への関心が芽生え、長期派遣に応募。「いつかまたスポーツ経験を生かしたい」という、学生の頃からの願いが叶いました。

現地では、ナショナルチームでの選手育成や、現地の子どもたちを対象とした卓球の普及活動を行いました。最初は「スポーツならジェスチャーで指導できるだろう」と考えていましたが、理論をきちんと伝えるには、言葉で説明することが必要です。空き時間には家庭教師を見つけて英語の勉強をしながら、チームの指導に励みました。「将来的に、国際的に活躍できる選手を育成したい」という目標を胸に、選手育成と自分自身の成長を追求した2年間。大洋州の各国から各競技の代表選手が集い、頂点を競う「パシフィックミニゲームズ」では、フィジーチームが見事メダルを獲得し、指導者として活動の成果を形に残せたことに、喜びを感じました。今では、当時の選手がコーチとなり、遠征で日本に来た際には、一緒に食事をするなど交流を続けています。

帰国後は、スポーツと国際協力に携われる仕事へ。
自身の体験を生かして、選手にも、受け入れ側にも寄り添う。

青年海外協力隊の活動を通じて国際協力に関心を持ち、帰国後は、国際協力とスポーツという、これまでの経験を生かそうと、「日本オリンピック委員会」(JOC)へ。「まずは日本でスポーツの機運を高め、将来的には、発展途上国の子どもたちにも、スポーツの価値を届けたい」という想いで挑んだ就職活動でした。

就職し、数年後に配属となった国際関係の部署では、海外から選手を招聘し、日本の高校や大学などでトレーニングを行うためのサポートに携わりました。選手の受け入れを行う日本の学校では、文化や生活習慣の違いに対する漠然とした不安から、受け入れに消極的なこともあります。そんな時に、フィジーでの体験を織り交ぜながら「こうした方がいい」「文化や生活習慣が違うので、うまくいかないのが当たり前だ」ということを丁寧に伝え、相手の抱いている不安を一つひとつ解消することで、積極的に選手と学校をつなぐ役割を果たしてきました。日本で活躍してきた選手として、また、海外で選手と身近に接してきた指導者として、「日本」と「海外」、「選手」と「指導者」という複数の立場に立てることが、業務でも自身の強みとなりました。海外とのやりとりでは物事が進むペースも違いますが、青年海外協力隊の経験を思い出し、「相手には相手のペースがある」と相手を尊重する余裕が、プロジェクトを円滑に進めるのに役立っています。

2016年リオデジャネイロオリンピックでフィジー卓球協会の会長と再会

自分と同じように、世界の子どもたちにも
スポーツを通じて夢や希望を与えたい。

2020年に向けて、日本でもスポーツ熱が高まっています。大会が終わっても、スポーツ熱を持続させ、さらに多くの人にスポーツを楽しんでもらえるように。とくに、若い人たちがスポーツに触れる機会を提供できるように、スポーツ界全体を盛り上げていくのが、私の使命だと考えています。

スポーツには、人に夢や勇気、感動を与える力があります。「JOC」という組織の中にいると「みんなスポーツが好き、やって当たり前だ」という感覚に陥りがちですが、まだ多くの方に普及しているとは言い切れません。まずは、これまでスポーツに関心がなかった人にもその楽しさを知ってもらえるよう、スポーツが人に勇気や感動を与える場面を、もっとたくさん作っていかなければいけません。とくに、恵まれない環境にいる子どもたちが、スポーツを通じて夢を抱けるように、「自分もあんな選手になりたいな」「日本や世界で活躍したいな」と思えるきっかけを提供していけたらと思っています。

JICA海外協力隊で得たもの

経験と人脈

青年海外協力隊には、自分で目標を設定し、
自分で方法を考えて実践できる環境があります。
コーチの指導に従う選手時代とは異なり、
自ら生み出す2年間は大変でしたが、
他の人には語ることのできない、私だけの経験となりました。
また、卓球を通じて、海外の選手と出会うことができました。
帰国して何年も経った今も、彼らの成長を見守り、交流を続けられているのは、
ともに過ごした中身の濃い時間があったからだと思います。

これからJICA海外協力隊を目指すみなさんへのメッセージ

行く前は不安でしたが、「2年間の経験が人生を豊かにしてくれた」と、
今は自信を持って言えます。
行く前に具体的なイメージを持ちすぎると、理想と現実のギャップに
悩むかもしれません。「こういうことができたらいいな」と
やんわり思い描いたら、あとは現地の人たちと交流しながら、
目標を明確にしていくといいと思います。ぜひ楽しんでください。

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青年 グローバルキャリア # 経験を生かす # スポーツ # TOKYO2020