自立発展性

プロジェクトの自立発展性を確保することは、プロジェクトの効果が今後も持続していくうえで非常に重要な要素である。今回評価したプロジェクトにおいては、技術面、人員面に関しては、プロジェクトにおける技術移転の成果もあり、自立発展性が確保されているプロジェクトが多かった。しかし、開発途上国は一般的に財政事情が厳しいこともあり、運営・活動予算の確保がプロジェクトの自立発展性を大きく左右する鍵となっている。また、1997年後半に発生したアジア通貨・金融危機も、政府からの運営予算の削減など、プロジェクトの活動維持や自立発展に影響を与える要因として指摘された。

これに対して、中国「水汚染・廃水資源化研究センター」(プロジェクト方式技術協力)では、プロジェクトにより向上した技術を用いて工場などへのコンサルティングの実施により収入の増加を図っており、ミャンマー「消化器感染症研究」(プロジェクト方式技術協力)では、ワクチン販売や薬品分析による自己収入源の確保により、研究活動を維持している。