札幌静修高等学校にて国際協力出前講座を実施~To Make Many Smile~

2022年5月20日

ソロモンの紹介

ほっかいどう地球ひろばの職場体験に参加している東海大学2年の平野北斗です。5月13日(金)に行われた、JICA国際協力出前講座の様子を報告します。

今回は、札幌静修高等学校ユニバーサル科1、2年生を対象に、JICA海外協力隊の帰国隊員3名(三谷紘世さん/ソロモン、鈴木未央さん/ザンビア、大山達也さん/マラウイ)が体験談と熱い思いを語りました。

赤道以南を中心に ~ソロモン・ザンビア・マラウイにて~

三谷さんから出題されたクイズに手を挙げて答える生徒たち

ソロモンで障がい児・者支援の活動をした三谷さんからのクイズ「ソロモン諸島はどこ?」に、生徒の多くは「アフリカ!」と回答。「正解は太平洋の島国でした!」に「???」と、初めはイメージが湧かない様子でした。派遣先は国内唯一の障がい者学校でしたが、教師が少なく、義務教育化されていないため関心度が低いという問題がありました。出前講座では、障がいを持つ子に対する現地の子どもたちの心温かいエピソードが紹介され、生徒たちは「温かく、のんびりした文化」という印象を持ったようです。「支援学校を増やすことや、現地の方に障がいについての理解を深める必要もある」などの感想もあり、現地の問題についても考えるきっかけとなりました。

始めて見るザンビアの国旗に興味を持っていました

ザンビアでPCインストラクターとして活動した鈴木さんから「難民キャンプで長期用に補強されたテントはいくら?」というクイズに生徒たちは「1万円くらい?」と予想。正解は「5千円」。現地の人に日本の家の値段を伝えると「日本人はどんな豪邸に住んでいるんだ!」と不思議がられたそうです。アフリカでは古くからコミュニケーション方法として踊りがあり、鈴木さんは現在も特技のダンスを武器に「ダンスでアフリカの難民を伝える」活動をしています。生徒からは「自分の楽しいと思えることで社会や世界に貢献できることがすごい」などの声がありました。

「可能性がゼロじゃないならやってみる」との大山さんが大切にしている言葉の紹介

マラウイで栄養士の活動をした大山さんは、現地のお金について紹介。紙をクシャクシャにしたようなお札を見せて「独特な匂いがするけど、かいでみたい人いる?」との問いに「はい!」と手に取った生徒さんは、匂いをかいでみてびっくり。「マラウイの人は農作業やや灯油に触れた後に手を洗うという習慣がないため、お札にはその匂いが染みついている」という解説に、生徒からは「ゴミを捨てる場所を定めることや衛生状態の改善が必要」という声が出ました。また、現地の子どもに紙飛行機を教えたエピソードとともに「そこに一瞬でもチャンスがあれば飛び込むことが大切であり、持続可能性ばかりを考え慎重になりすぎることはない」と自身が得た学びを伝えました。

先生なし、モノなし、授業なし

3名の講師には「無いものを生み出すことから始めた」という共通点があります。現状をただ嘆くのではなく、アイディアを出し、現地の人たちと協力して自分にできる行動をする。日本では経験しないような困難やつらいこともあったようですが、笑顔を見せながら話す姿から、熱意をもって国際協力に取り組んできたことが伝わってきました。