【報告】2023年度JICA横浜教師海外研修報告書が完成しました。

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JICA横浜では、国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる神奈川県および山梨県の教員のみなさんを対象に、「教師海外研修」を実施しています。開発途上国における国際協力の現場を実際に体感することを通じて、途上国の現状や日本との関係について考え、その経験をそれぞれの教育現場で、児童・生徒の皆さんに伝え広げていただくことを目的としています。
2023年度は神奈川県と山梨県から10名の先生が参加し、この度研修報告書が完成しました。

研修内容として、日本国内で海外の方々が増え多文化共生が重要になっていることを踏まえて、「多文化共生と移民」をテーマに1年間のプログラムが行われました。

事前研修、ブラジルでの海外研修、事後研修を通して、テーマについての理解を深めていきました。また、ワークショップ教材作成の過程で、授業の中でどのように多文化共生や日本人の移住の歴史について触れ、児童・生徒に対し理解を促すか、議論を深めていきました。

そして、作成されたワークショップ教材を用いて各学校で授業実践が行われ、児童・生徒の多様性への理解や他者を思いやる気持ちを育むことにつながっていきました。

1年間の研修で、先生方は現地を訪れ、生の声を聞き、それらを教材という形で授業に落とし込むプロセスを通し、国際理解教育/開発教育の理解にとどまらず、多文化共生について児童・生徒への授業や教材のあり方などをあらためて考えるきっかけにもなったようで、これからも学校、地域で世界と日本をつなぐご活躍が期待されます。


完成した報告書では、10名の授業実践の報告や作成されたワークショップ教材を掲載しております。ワークショップ教材は以下の2つを掲載しています。

・ワークショップ教材①「みんなで作ろうしあわせの村」

グループに与えられた村の条件から、より「しあわせ」になるために必要なものを検討しながら、村によって必要とするものが違うことに気づき、また背景が異なる他者との共存(多文化共生)のために自分ができることを考える教材です。

・ワークショップ教材②「多文化共生を考えよう ~移住すごろくゲーム in Brazil~」

すごろくを楽しみながら日本からブラジルに渡った日本人移住者について学び、過去や現在の苦労や喜び、社会への貢献などを知ることができる教材です。


多文化共生についての取り組みを学校で行いたい、日本人の移住について授業で扱いたいという方、10名の先生方の授業報告やワークショップ教材が掲載された研修報告書をぜひご覧ください。

また、2024年度もJICA横浜では教師海外研修を実施し、8月にブラジルで海外研修を行います。詳細は近日中にHPに掲載予定です。


(参考)2023年度教師海外研修の1年間

6月24日 第1回国内事前研修 10名の参加者が緊張した面持ちで研修スタート!

7月8日 開発教育教員セミナー
(基礎編)
開発教育の基礎を学ぶためにセミナー参加しました
7月15日、16日 第2回国内事前研修 鶴見地区へのフィールドワークで日本にいる外国人や日系人、そして多文化共生を目指す活動を学びました
7月30日~
8月12日
海外研修
ブラジル連邦共和国
待ちに待った海外研修!片道24時間は長かったけれど充実した2週間でした!

8月26日 第1回国内事後研修 入手した情報だけでなく、現地でいただいた疑問やモヤモヤを児童生徒などと一緒に考えるための手法を考えました
9月16日 第2回国内事後研修 考え抜いた2つのワークショップ教材を完成させるために、過年度参加者にも協力いただきながらブラッシュアップ会を行いました

9月~12月 実践授業 ご自身の学校での授業を実践する期間。JICAや事務局スタッフの見学のもと緊張しながらも楽しく実施しました
2024年
1月13日、14日
開発教育教員セミナー
(応用編)
「参加型学習」について深く学ぶためにセミナーに参加しました
2月17日 最終報告会(神奈川県) 「SDGs多文化CITYフォーラム」の中で報告会を行いました

3月2日 最終報告会(山梨県) 山梨県地場産業センターかいてらすに於いて最後の報告会!