【実施報告】2020年度 国際理解教育/開発教育教員セミナー(基礎編)

2021年1月26日

国際理解教育/開発教育教員セミナーは、国際理解教育/開発教育の指導者としての技術・能力の向上を図ることや参加者同士のネットワークの構築をねらいとして、毎年行われているものです。
今回はオンラインで実施し、12月19日(土)14時からの回には12名、12月23日(水)19時からの回には15名、神奈川県および全国から小中高等学校の先生方やNPO職員の方などにご参加いただきました。

開発教育のワークショップを体験する

当日は、かながわ開発教育センター(K-DEC)小野行雄氏を講師として、国際理解教育/開発教育の基本概念および手法の講義と、ワークショップの実践を行いました。

セミナーの最初に、オンライン上でも雰囲気を和やかになるように、参加者もビデオをオンにして音楽に合わせて手を動かすウォームアップをしました。参加者の緊張もほぐれてきたところで、数人のグループに分かれ、参加者同士の交流のため、自己紹介の時間を持ちました。

ロールプレイを活用したワークショップ体験の様子

次に、グループにてロールプレイ(注1)の手法を活用したワークショップの体験をしました。講師が実際に支援をしているフィリピンのある村の課題解決にむけて、まずは各グループで複数の課題の優先順位づけを行い、どの課題から取り組むのかを話し合いました。
その後、村人、現地NGOスタッフ、地方自治体職員、日本NGOスタッフの役割になりきって、違う立場の者同士が話し合いを通して合意形成を試みるワークショップでした。
参加者からは「オンラインでも学び方が広がることに気づけた」や、「実際の開発支援を体験とともに学んでもらうためには、こうやって教えたらいいんだという学びがあった」などの感想が寄せられました。

(注1)ロールプレイ:ある特定の(自分と違う)立場の人(場合によっては、動物やモノの場合もある)になったつもりで、ある問題について考え、それを表現する手法。

国際理解教育/開発教育の基本を学ぶ

国際理解教育/開発教育の基本概念の解説の様子

ワークショップを体験した後に、国際理解教育/開発教育の基本概念について、図式を交えながら丁寧に説明いただきました。また、参加型学習を進める手法として、ロールプレイやシミュレーション(注2)を活用した教材紹介もあり、例えばフォトランゲージ(注3)については、失敗例なども交えながら効果的に活用する方法などを教えていただきました。
セミナーの最後には、参加者から「ロールプレイなどをする際の雰囲気づくりも大事だと教えてもらった」「『正解』のない問題を考える面白さや奥深さを体験できた」「今後の実践の中でとても参考になる情報をいただけた」などの感想が寄せられていました。

今年度はオンラインでの実施となり、ブレイクアウトルームなどを活用しながら行いました。参加者からは、「Zoomでも最初にアイスブレイクすると良いことがわかった」「講義型の講習が多い中で、アクティブな学びができた」などの感想が寄せられ、オンラインならではの学びや、今後のオンラインでの国際理解教育/開発教育の実践への可能性を感じていただけたようでした。

(注2)シミュレーション:ある事象をモデル化、単純化して、それを擬似的に体験する手法。

(注3)フォトランゲージ:写真を使って行う参加型のアクティビティ(学習活動)。