【実施報告】国際理解教育/開発教育 教員セミナー(応用編)

2021年3月29日

【応用編】2月13日(土曜日)

 2月13日、「国際理解教育/開発教育 教員セミナー(応用編)」を開催しました。今年度は、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、オンライン配信にて実施し、神奈川県・山梨県内のみならず、全国の様々な地域の小中高等学校、大学の先生や学生など、約50名にご参加いただきました。
 本セミナーは、国際理解教育/開発教育の指導者としての技術・能力の向上を図ることや参加者同士のネットワークの構築をねらいとして、毎年行われているものです。

 今回は、オンライン特別企画として「JICA関係者が見た世界の文化事情」をテーマに、東南アジア、中東、アフリカ、大洋州のJICA関係者による、それぞれが見て感じた各国の文化事情についてのパネルディスカッションを実施しました。

基調講演:国際理解教育/開発教育と文化理解・文化づくりについてを学ぶ

【画像】【基調講演:開発教育・国際教育の目標構造と文化理解・文化づくりへのアプローチ】
 まず、かながわ開発教育センター(K-DEC)代表の山西優二氏(早稲田大学教授)より、「開発教育・国際教育の目標構造と文化理解・文化づくりへのアプローチ」と題して、国際理解教育/開発教育の目標構造と文化理解・文化づくりについて丁寧にお話しいただきました。国際理解教育/開発教育の目標、文化の定義から多文化共生に向けてのアプローチまで、実践者として熱く語られる姿勢に参加者全員が引き込まれていました。
 参加者からは、「発展目標だけでなく、基礎目標があって最終目標に到達すること、平和の実現には、人間関係作りが大事だということがはっきりしました」、「学校教育で学ぶべき文化は、国際競争を生き抜くためでなく、共生を目的としている。認識と完成、情動を連動させていく教育を目指したいと認識させていただきました」など、今後、教育現場で文化紹介や文化理解を取り入れる際の大事なポイントとなる部分を学ぶことできたとの声が多く寄せられました。

パネルディスカッション:JICA関係者による文化紹介

【画像】 次に、海外に在住経験のある協力隊員・JICA職員の方々4名をお迎えし、JICA関係者による文化紹介をパネルディスカッション形式で実施いたしました。

■ゲスト
2019年度 パプアニューギニア隊員 髙嶺直己(たかみね・なおき)氏
JICAカンボジア事務所 小川 紀子(おがわ・のりこ)氏
JICAエジプト事務所 廣瀬 勝弘(ひろせ・かつひろ)氏
2019年度 ガーナ隊員 小田 佳世子(おだ・かよこ)氏

 上記4名の方々より、ご自身が現地滞在中に感じた「文化」について、それぞれの視点で語っていただきました。4名のゲストの方々からは、食文化、時間感覚、人と人との距離感についてなど、それぞれの「文化」の切り口がありました。
その後、ファシリテーターより「当該文化に対する印象や思いの変化があったか」、「どうしても馴染めなかったり譲れなかったりしたものはあったか」「その文化と出会ったことで自分自身の変容はあったか」などの問いかけを行い、話を深めていきました。

 その後、Zoomのブレイクアウトルーム機能を利用し、少人数のグループに分かれて、文化の捉え方、切り取り方、様々な視点や方法についてや、教育の中でどのように文化を扱うのか等について意見交換を行いました。参加者同士で様々な意見があり、校種や職種を超えた交流から刺激を得ていただけたようでした。

 今年度の国際理解教育/開発教育 教員セミナー(応用編)はオンラインでの開催となりましたが、全国および海外に在住の方にもご参加いただき、「文化」について様々な視点を踏まえて考えることできる有意義な時間となりました。
参加者からは、「長時間に渡るセミナーでしたので、最後まで集中力を繋げられるのか不安でしたが、最後は名残惜しいほどでした」、「いろいろな方が参加されていて、いろいろな意見や考え方が聞けてとても良かったです」などの感想をいただきました。

 ご参加された皆さんが、本セミナーでの学びや気づきを活かし、今後の授業等で実践されることを期待しています。