つながる世界と日本

PART.1 世界と私たち

今さら!? 聞けない 難民問題、ポイント解説

2019年末時点で、紛争や迫害などによって家を追われた難民や国内避難民の数は、世界全体で7,950万人にものぼり、過去最多となっています。そのうち約40%(推定3,000~3,400万人)が18歳未満の子どもたちで、親や保護者とはぐれ1人での避難を強いられています。ここでは、難民問題のポイントを分かりやすく解説します。

難民とは

難民とはどのような人を指すのでしょう。多くの人は「紛争などから命を守るために自分の国から逃げてきた人」などとぼんやりと認識しているのではないでしょうか。
難民とは「難民条約」(国際条約)で定められた人々を指します。1951年に採択された難民条約の第1条で、難民とは「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」と定義されています。もう少しわかりやすくすると、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々のことを指します。
また、紛争などによって住み慣れた家を追われたが、国内にとどまっているかあるいは国境を越えずに避難生活を送っている人々については「国内避難民」と呼んでいます。

世界の難民の状況 (出典:Global Trends 2019(UNHCR))

国外に逃れた人たちの出身国は、内戦が続くシリアが最も多く、続いてベネズエラ、アフガニスタン、南スーダンなどとなっています。
また、難民の多くが近隣国に逃れており、85%以上が開発途上国で受け入れられています。難民だけでなく、受入れ国側への支援も必要な状況です。 

難民数:79,500,000人(※2019年末時点)

難民流出国トップ5

●難民の出身国トップ5

①シリア 660万人
②ベネズエラ 370万人
③アフガニスタン 270万人
④南スーダン 220万人
⑤ミャンマー 110万人

68%が5カ国に集中しています
受入国トップ5

●受入国トップ5

①トルコ 360万人(5年連続1位)
②コロンビア 180万人
③パキスタン 140万人・ウガンダ 140万人
④ドイツ 110万人

世界の難民の85%が開発途上国で受け入れられています

日本と無関係ではない難民

日本は1970年代後半のインドシナ難民(ベトナム・ラオス・カンボジア)の大量流出を受け、1981年に難民条約に加入し、インドシナ難民を11,319人受け入れました。(インドシナ難民の受け入れ事業は、2005年度をもって終了。)
1982年の難民認定制度導入から2019年までの申請数は81,543人。そのうち794人の条約難民(※1)を受け入れました。難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めたものは2,665人となっています。また、2010年からは、第三国定住(*2)によって、ミャンマー難民を受け入れており、2019年までに50家族194人を受け入れました。

日本は、受け入れた難民の人々に対して、日本語教室を開いたり、就職等各種相談への対応など、定住促進のためのサポートを行っています。(出典:外務省)

(*1)条約難民:難民条約(1951年の難民の地位に関する条約)に定義された難民の要件に該当すると判断された難民
(*2)第三国定住:難民キャンプ等で一時的な庇護を受けた難民を、当初庇護を求めた国から新たに受入れに合意した第三国へ移動させることで、難民は移動先の第三国において庇護あるいはその他の長期的な滞在権利を与えられる枠組み。

日本の難民支援

日本の難民支援の特徴は、難民に対する直接的な”人道支援“と受け入れ国やコミュニティの経済発展を支える”開発支援“を、国連機関やNGOなどと連携しながら一体的に進めている点です。
例えば、JICAはパレスチナ自治区・ヨルダン・シリア・レバノンのパレスチナ難民キャンプで、生計向上や母子手帳の普及を進めたり、UNRWAの運営する学校へJICA海外協力隊を派遣するなど、パレスチナ難民を支える取り組みをUNRWAとも連携しながら行ってきました。

また、2016年11月よりUNHCRの協力を得て、「シリア平和への架け橋・人材育成プログラム」を通じ、ヨルダンやレバノンに難民として逃れているシリア人の若者たちを最大で100名留学生として日本国内の大学に受け入れる取り組みを行っています。就学の機会を奪われたシリア難民の若者に教育の機会を提供することによって、将来のシリアの復興を担う人材育成を支援しています。

難民支援についてもっと調べてみよう!

JICAの難民支援活動

アクティブラーニング用映像教材

授業で使える10分映像集

JICA-UNCHR パートナーシップ~人道と開発の懸け橋~

JICA-UNCHR
パートナーシップ
~人道と開発の懸け橋~

mundi 2017年6月号

難民支援 故郷の夜明けを夢見て
mundi 2017年6月号

シリア平和への架け橋・人材育成プログラム

シリア平和への架け橋・人材育成プログラム

難民についての関連情報

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

認定NPO法人 難民支援協会

認定NPO法人 難民支援協会

特定非営利法人 難民を助ける会

特定非営利法人 難民を助ける会

特定非営利活動法人JEN

特定非営利活動法人JEN

公益財団法人 アジア福祉教育財団 難民事業本部

公益財団法人 アジア福祉教育財団
難民事業本部

FRJなんみんフォーラム

FRJなんみんフォーラム

その他関連情報

外務省 人権・人道・難民

外務省 人権・人道・難民

外務省 わかる国際情勢〜難民問題とは

外務省 わかる国際情勢〜難民問題とは

政府広報オンライン

政府広報オンライン

特定非営利法人 難民自立支援ネットワーク

特定非営利法人 難民自立支援ネットワーク

幼い難民を考える会 あいち

幼い難民を考える会 あいち

特定非営利法人幼い難民を考える会

特定非営利法人幼い難民を考える会

このページの先頭へ戻る