齋藤 智慶(さいとう としのり)さん 青年海外協力隊

”国際教室の先生”として、
外国籍の子どもの力になりたい。

2014.08

憧れのブラジルにボランティアで渡ったきっかけは、外国籍の子どもたちとの出会い。

小学校教諭として勤務する中で、多くの外国籍の子どもたちと出会う機会がありました。言葉や文化の壁に戸惑ったり、困ったりしている子どもたちへの支援の必要性を強く感じていたとき、ちょうどJICAの日系社会青年ボランティアの現職教員の募集が開始に。
 高校時代、歌詞の意味も分からずブラジル音楽に聴き入っていた私は、ブラジルに惹かれていました。南米の日系人社会で小学校教員として経験を積むことで、帰国後に外国籍児童の力になれるのでは、と考えました。
 校長に相談したところ、「ぜひ行ってらっしゃい」と認めてくれた上、「帰国後、この経験が役に立つよ」と、大きな期待まで寄せてくださいました。現職教員特別参加制度を使えば帰国後も教員として働き続けられるということも、応募に踏み切った大きな要因です。

日本語教室での授業風景

日本語の指導だけでなく、
できることはなんでもやった2年間。

赴任先のブラジルでは、サンパウロにある配属先の学校で、日本語を教えるだけでなく日本の歴史や地理、さらには図工まで幅広く担当しました。授業のほかにも、日本文化を紹介するイベントを企画したり、現地の公立学校への出張や、大人向けの日本語クラスを開催したり。日系の子どもたちへの活動のほか、日本から帰国した日系人へのサポートも行い、ポルトガル語に苦心する子どもの通訳をすることもありました。同僚の方々とは「支援者・指導者」というより、むしろ「共に働く仲間」として過ごせたと感じています。
 赴任中大変だったことは、着任早々、大気汚染と寒さで副鼻腔炎になり、咳が止まらない状態になってしまったことですね。非常につらい思いをしましたが、配属先の校長先生が大根とはちみつの特製シロップを作ってくれて、それを飲むと次第に症状も良くなっていきました。私のことを好意的に受け入れてくれた地元の皆さんの優しさは、今でも忘れられません。

JICAボランティアで得たもの

復職後、外国籍児童向けの「国際教室」を担当。
日本人の児童にも異文化に触れる機会をつくる。

帰国後は復職し、「国際教室」を担当するようになりました。主な業務は、外国籍児童の日本語指導や適応指導など。このほかに、国際教室以外の全児童に対しても国際理解教育を行っています。具体的には、ブラジルの子どもたちの間で行われているゲームや歌を紹介したり、ブラジルから持ってきたリオのカーニバルの衣装を見せたりと、楽しく異文化に触れる機会をつくっています。また、私が赴任していたブラジルの学校との交流も積極的に行っています。
 現在勤務している小学校が、日系ブラジル人が多い地域に位置していることもあって、現地で身に付けたポルトガル語や現地事情への理解はダイレクトに役立っています。保護者の中には、日本語が得意でない人もいて、そんな人との連絡や、学校だよりの翻訳なども、私の重要な仕事となっています。
 振り返れば、JICAボランティアで得たものは“仲間との絆”。同期の隊員はもちろん、赴任先のブラジル人同僚、現地で出会った人々など、派遣中に多くの人々との触れ合いがありました。多くの出会いを通じ、私の世界は大きく広がったと思います。JICAボランティアとして過ごした2年間は、私の人生にとっての財産です。

これからJICAボランティアを目指すみなさんへのメッセージ

人を好きになることで温かい関係を築く。
現地での成功は、人間関係にあり。

現地での経験は、日本ではできないことの連続です。
たとえ困難でも、それをつらいと思うのではなく、異文化ゆえに起こる貴重な体験と捉えて楽しむこと。
上手に楽しむために、まずは人を好きになることが大切です。
大きな何かを成し遂げられなくても、現地の人々と温かい関係を築くことができれば、
活動はほぼ成功だと思います。

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青年 社会貢献キャリア # 教師 # 経験を生かす # 現職教員特別参加制度