増田 竜馬(ますだ りょうま)さん 青年海外協力隊

休職して参加した青年海外協力隊。人生にはもちろん、
仕事のキャリアにも確実にプラスになっていくはず。

2016.12

インターンで出会った協力隊経験者の話を聞き、
20代のうちに必ず参加すると決意。

高校時代に1年ほど米国留学をして以来、いつか海外で働いてみたいと漠然と思っていました。協力隊への参加を意識したのは、就職活動中に企業でインターンシップをしていたとき。たまたま指導を受けた方が青年海外協力隊員としてバングラデシュで活動された方で、経験談が印象的だったため、自分も20代のうちに必ず青年海外協力隊に参加しようと心に決めていました。
社会人としてある程度成長してから参加したかったので、実際に協力隊へ応募したのは、オムロンに入社して3年ほど経ってからです。会社の「公務休暇制度」を利用し、現職参加することにしました。2年間の休職は、会社の同期から遅れを取るとは思いましたが、自分の努力次第で挽回できると前向きに捉え、特に不安は感じませんでした。

持ち前のプラス思考で不安を払拭。
派遣前の研修と訓練で万全に。

環境教育で派遣される隊員は、派遣前訓練に入る前にワークショップを中心とした技術補完研修を2週間ほど受講します。事前に環境教育に関する書籍はひと通り読んでいたのですが、研修は役立ちました。その後の派遣前訓練では、英語学習者には、それぞれが予定している活動内容について、英語でプレゼンなどを行う「テクニカルクラス」があります。母語でない言語での業務の準備ややり取りはかなりの負担ですが、私は英語自体は80%の出来でもいいから、その場でのコミュニケーションを重視することを意識しました。そのおかげで気持ちが楽になり、アイデア出しをより楽しむことができました。

自ら市長や知事に話を持ちかけられるのが醍醐味。
環境行政に近い業務の中で尽力。

活動したバヌアツのサント島にあるルーガンビル市は、首都の次に大きな町。配属先のルーガンビル市役所廃棄物処理課では、主に、廃油の法令整備やゴミ集積場の管理などを担当したため、実質的には環境教育というよりも環境行政に近い活動でした。想像と違う活動内容に最初は戸惑いましたが、市役所としてできることは思いのほか多く、行政側から仕組みづくりを支援することで地域の役に立てるのではと考え、早い段階でシフトチェンジしました。
活動の中で一番やりがいを感じたのは、廃油の法令整備です。バヌアツではオイル類を全て輸入に頼っているのですが、廃油を処理するシステムがなく、海や地面に垂れ流していました。輸入を請け負っている会社も解決策を打ち出せていなかったため、オイルの小売り会社と輸入元と交渉して、廃油をリサイクルする条例文の草案を作成することに。日本での営業職経験を生かし、派遣中に草案を提出するところまで進めることができました。
活動中、常に意識していたのは「上から目線」にならないこと。アイデアを出しても押し付けるようなことは絶対にせず、向こうから手を挙げてきたら、それをふくらませるようなやり方を心掛けました。また、バヌアツでは「こんなことをやりたいんだけど」と話をすると、アイデアを出してくれたり、「オレの地元だから話を通しておくよ」ととても熱心に協力してくれる人が多く、タウンクラブや市長、知事などに直接話を持ちかけてもトントン拍子に進んでいくので、責任重大な半面、とても楽しく充実していました。

JICAボランティアで得たもの

帰国後に実感する自信の高まり。次なる目標は、会社の一員として開発途上国で役立つこと。

活動を終えて帰国した現在、バヌアツは自分にとって故郷になっています。遠く離れていても、いつでも帰ることのできる場所がもうひとつできたことは、精神的にも大きなプラスになっています。バヌアツで出会った人とは今もメールのやり取りをしていますし、これからも2年に1度くらいは“里帰り”をしたいなと思っています。
仕事面では、休職前と同じく産業機器の営業に復帰しています。協力隊の活動内容と今の業務内容は直接的には結びつきませんが、英語で業務をしていたバヌアツの頃と比べると、「日本語で仕事を進められるのはなんて楽なのだろう」「バヌアツで活動できたのだから、日本語を使えばもっと複雑なこともできるだろう」という自信につながっており、間接的な影響は大きいです。
また協力隊の経験を経たことで、派遣前より愛社精神が強くなりました。公務休暇制度で協力隊に行かせてもらったことに感謝していますし、「企業は社会の公器である」という弊社の基本理念は、ボランティア精神と通じるものがあり、より共感できるようになりました。いつかこの会社に属する人間として、開発途上国でBOPビジネスやソーシャルビジネスで役立つことが、ひとつの目標になっています。

これからJICAボランティアを目指すみなさんへのメッセージ

必要なものは「明確な意志」。
社会人3年目はタイミングとしてもベスト。

青年海外協力隊は「キャリアを捨てていく」とも捉えられがちですが、
自分が明確な意志を持っていれば絶対に損はない経験ですし、これほど素晴らしいものはないと思います。
参加を悩む理由として、「日本での生活を一旦休止してもいいのか」
「派遣先でうまくやっていけるのか」という2つの不安があると思います。
後者は行ってから考えればいいことなので、
前者だけ自分のなかできちんと納得できれば、何も心配はいらないでしょう。
一般的に社会人3年目は、転職などでも悩むことが多い時期。
参加を決めるタイミングとしてもベストだったのではと個人的に感じています。

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