【企業展示 at JICA関西ロビー】 2022年10月- クモノスコーポレーション株式会社

2022年10月14日

【画像】JICA関西では、開発途上国で活躍されている企業の製品やサービスを1階ロビーにて展示しています。
普段、私たちが利用している道路や橋、ダムなどの公共インフラは、恒常的な管理に加え、定期的に様々な方法で点検・修繕されることで、人々の安心と安全な生活を守っています。そのような点検を更に簡単で正確に行うための製品を販売している会社が大阪にあります。

今回紹介するクモノスコーポレーション株式会社は、大阪府箕面市に本社を置く、測量や建造物の点検、三次元計測とそのデータの利活用、技術開発などを行う会社です。

【画像】従来、建造物の劣化具合を調べる場合、ひび割れに直接近づいて、目で確認しています。この方法は人間が直接行うので正確性や精度の安定性に欠け、また、高所などの危険な場所から確認しなければならない場合があります。しかし、同社が販売している大きな望遠鏡のようにも見える測量機、ひび割れ計測システム「KUMONOS」は、100mも離れた位置から0.5mm程度の小さなひび割れの幅や位置、長さを計測することができます。また、取得した情報をコンピューターのソフトウェアで記録、比較することで橋やダムなどの建造物の劣化がどれだけ進んでいるのか、正確に判断できるため、管理や修繕がしやすくなります。



【画像】タイでは経済発展に伴いインフラ建設が増加するとともに、橋や道路などを長く安全に使うための仕組みが求められるようになりました。しかし、国の予算不足により、インフラの点検・管理技術の向上が遅れていることが課題となっていました。経済成長が著しいASEAN諸国の中でもタイは中心的な存在であり、自社の技術を活用してタイの課題に貢献するため、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業へ応募し、案件化調査、普及・実証・ビジネス化事業を実施しました。

タイの課題解決に向け、同社はJICAの事業を通して、①劣化状況を正確に把握・管理するための技術教育、②予防・点検の精度の向上の為のセミナー開催等に取り組みました。

そのような活動を通じて、タイ全土の道路の建設・管理を担う「運輸省道路局」との協力体制の構築ができ、また、同事業で用いた「KUMONOS」においては、現地技術者の同機器の操作レベルを向上させることができました。

インフラ整備が急速に進む開発途上国において、点検・管理のニーズはさらに高まることが予想され、同社の技術が途上国の課題解決のために有効活用されることが期待されます。展示スペースでは、「KUMONOS」についてより詳しく知ることができる、ポスターやパンフレット、動画もございます。ぜひ、ご覧ください。
(企業連携課 インターン 児玉郁美、高畑昌暉)