「北部ケニア干ばつレジリエンス向上のための総合開発及び緊急支援計画策定」(Enhancing Community Resilience Against Drought in Northern Kenya)

  • 種別:開発調査
  • 案件名:北部ケニア干ばつレジリエンス向上のための総合開発及び緊急支援計画策定プロジェクト(Enhancing Community Resilience Against Drought in Northern Kenya)
  • 実施地域:トゥルカナ県、マルサビット県
  • 協力期間:2012年3月〜2015年3月
  • 実施機関:北部開発省(Ministry of State for Development of Northern Kenya & Other Arid Lands)

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プロジェクトの対象地域に居住するレンディレ族の人々

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牧草資源管理について協議

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住民とのワークショップ風景

2011年、ケニアを含む「アフリカの角」地域を襲った干ばつは、過去60年で最大の被害と言われており、ケニア国内で約370万人が被災、多くの人々が食糧援助に代表される人道援助に頼らなければ生きていけない状況に陥りました。この干ばつの影響を最も受けているのは北部ケニアの乾燥地に住む牧畜民であり、干ばつになるとたくさんの家畜が死んでしまうため、生計手段を失ってしまいます。

同干ばつ被害に対し、政府や国際機関は被災者に対する給水サービスや食糧援助を実施、2011年だけで約400億円が被災者に対する人道援助に拠出されました。しかしながら、こうした人道援助は今日食糧に困る人々を助けることは出来るものの、根本的な解決には繋がりません。

2011年9月にナイロビで開催された「アフリカの角危機サミット」では、同地域での干ばつはもはや慢性的なものであり、これまでの緊急的な人道援助を中心とした対応を見直し、より中長期的な開発を通したコミュニティの干ばつへの対応能力(レジリエンス)を強化することの重要性が確認されました。

JICAは、2012年3月から「北部ケニア干ばつレジリエンス向上のための総合開発及び緊急支援計画策定プロジェクト」を開始、干ばつ被害を受けた牧畜民コミュニティのための支援を本格化しました。具体的には、北部ケニアの牧畜民を対象に、牧草や水などの自然資源の持続可能な管理、家畜バリューチェーンの改善、生計多様化の実現を目的としています。これらの活動はすべて、従来の政府によるトップダウン型の対応ではなく、干ばつ被害の当事者である牧畜民コミュニティの能力向上を通じた干ばつレジリエンスの向上を目指しています。