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<イベント報告・大分>大分県教育委員会主催 令和4年度「第3回グローバルリーダー育成塾」および「第4回グローバルリーダー育成塾『高校生サミット』」にJICA研修員が参加協力しました!

2023年2月2日

生徒が準備してきた解決策を真剣に聴く研修員 (11月12日)

 大分県教育委員会は「大分県グローバル人材育成推進プラン」のもと、主催事業として、令和4年度「グローバルリーダー育成塾」を年4回の構成で実施してきました。県内の高校1・2年生を対象とし、世界で活躍する講師の講演や生徒間の協議・発表を通して、世界へ挑戦する気概やリーダーとしての素養の育成、将来の目標の明確化と高い進路意識の醸成を図ることを目的としています。

 本事業の第3回(11月12日)および第4回(12月18日)にJICA長期研修員が多数参加協力させていただきましたので、ご報告します。

11月12日(土) 「第3回グローバルリーダー育成塾」

班別協議を終えて助言を行う研修員 (11月12日)

部屋別全体の様子 (11月12日)

留学生らからの助言を踏まえ、班別代表生徒が部屋別発表を行う様子 (11月12日)

 大分県教育センターにて開講され、県内の高校26校より1・2年生412名が参加しました。

 12時30分から14時40分までの約2時間、生徒間の協議・発表「世界の課題解決に向けて、私ができることⅢ -解決策の考案-」のセッションにて、JICA長期研修員49名が参加協力しました!全員が立命館アジア太平洋大学(以下APU)に在籍中の留学生(学士課程2名、修士課程44名、博士課程3名)で、その他、外国語指導助手(以下ALT)5名、APU生18名(学士課程17名、院生1名)の計72名が高校生5-6名ずつの班に分かれて入り、世界の課題(SDGs)解決に向けた各高校生の提案に耳を傾け、助言を入れるなどしながら発表に向けた支援を行いました。班別協議の後、部屋毎で発表会が行われ、最優秀プレゼンターが選ばれました。

 この日、高校生らは9時50分から16時20分までの終日参加で、使用言語が英語となるセッションはこの時間帯だけとのことで、チャレンジングだったようですが、それぞれが準備してきたプレゼン内容をタッチパネルで伝えながら、留学生らからのアドバイスを真剣に聞き取ろうとする姿が見られました。JICA研修員らもプレゼン内容に関することだけでなく、スライド作成やパブリックスピーキングにあたっての助言もするなどしていました。終了後には班別に写真を撮るなど、JICA研修員らとの別れを惜しむ様子がありました。

12月18日(日) 「第4回グローバルリーダー育成塾『高校生サミット』」

研修員による発表の様子-1 (12月18日)

研修員による発表の様子-2 (12月18日)

部屋別全体の様子-1 (12月18日)

部屋別全体の様子-2 (12月18日)

 大分県教育センターにて開講され、県内の高校23校より1・2年生284名(+オンライン参加10名程)が参加しました。朝から雪が舞うとても寒い日となりましたが、今回はJICA研修員は午前と午後のセッションで参加協力させていただき、第3回よりも更なる連携機会をいただきました。

 11時10分から11時30分までの20分間、「SDGsの実現に向けて」と題し、JICA研修員2名が講師として登壇し、母国における当該事情について発表しました!

 はじめに、セーシェル出身のMONTHY Adrianさん(APU修士課程1年)が、セーシェルにおけるSDGsの目標13:気候変動対策としての環境保護の取り組みについて発表しました。廃棄物による海洋汚染の影響が深刻な島国セーシェルでは、日常生活におけるプラスチック削減や学校教育現場等での啓発活動が活発に行われているとのことで、最後には、地球を救うために共に活動しましょう、と呼び掛けました。

 続いて、ベトナム出身のNGUYEN Thi Nha Trangさん(APU博士課程1年)がベトナムにおける主なSDGs事例として、目標4:質の高い教育が大幅な改善を図れていること、他方で目標12:責任ある生産と消費、目標15:陸の生物や森林の保全については課題が山積していることについて、現地の貴重な写真多数を交えながら説明しました。また、2022年夏に日本で参加したインターンシップでは、日本のごみ分別やリサイクル制度について理解を深めることができた経験も紹介しました。

 当日は新型コロナ感染対策のため、参加の高校生は、発表が行われた講堂の他、大分県教育センター内で8部屋に分散して同時配信で画面越しにJICA研修員の発表を聴きました。両国からの生の声を通じて、海外におけるSDGsの取組事例への学びは、参加の高校生にとって新たな発見の多いものとなったのではないでしょうか。

 午後には、12時30分から14時40分までの約2時間、生徒間の協議・発表「グローバルリーダー育成塾生としての私の提言 -世界の課題解決に向けて-」のセッションにて、JICA長期研修員37名が参加協力しました! 全員APUに在籍中の留学生(学士課程2名、修士課程33名、博士課程2名)で、その他、ALT4名、APU生15名(学士課程13名、院生2名)の計56名が高校生約5名ずつの班に分かれて入りました。第1~3回の育成塾で各高校生が発表したSDGs解決プランから更にブラッシュアップされたプランが発表され、JICA研修員らは真剣に聴き入りながら、適宜アドバイスを入れるなどしました。班別協議の後、部屋毎で発表会が行われ、最優秀プレゼンターが選ばれました。

 第3回同様、高校生らは9時50分から16時20分までの終日参加の中、自ら英語で積極的に発言していくことが求められる同セッションは重ねてチャレンジングだったと思いますが、各部屋内での発表時には、事後の質疑応答にてJICA研修員からの質問やコメントにも積極的に答えようとする前向きな姿勢が多く見られ、研修員も愉しかったようです。

感想

班別代表生徒による部屋別発表に対してコメントする研修員 (12月18日)

 高校生からは、「とても楽しかった」、「良い刺激をもらった」との声を多数いただきました。また、JICA研修員からは、「生徒たちとSDGsの経験を共有でき、プログラムに感謝している」、「交流プログラムへの参加は大変興味深く、互いに影響し合うことができた」、「グローバルリーダー育成塾に参加できたこの機会に心からの感謝を表明したい。SDGsに関して生徒たちから挙げられた課題や新しいアイデアに本当に驚いた。このプログラムに参加して生徒たちのポテンシャルやエネルギーに触れてとても嬉しかった。そして何より嬉しかったのは、世界が直面している緊急課題について大変貴重なアイデアを共有しながら生徒たちとディスカッションすることができたこと。今後またこのようなプログラムに参加することをとても楽しみにしています。」などの感想が届きました。

 この度はこのような素晴らしい機会をいただき、主催の大分県教育委員会関係者の皆様に大変感謝しております。参加した高校生の皆様にとって、広く世界への好奇心と意欲をかき立てられるような刺激ある時間となりましたなら幸いです。誠にありがとうございました!

(JICAデスク大分 担当:井本)