シエラレオネ中央子ども病院サービス向上プロジェクト

プロジェクト背景と課題

シエラレオネでは、2010年に妊産婦・授乳期母親・5歳未満児などを対象に無償医療の提供が開始され、その後、保健所の新規設置、簡単に取得できる医療者助手資格増設などで保健サービスへのアクセスの改善をはかるなど、脆弱な保健サービスの復興に取り組むも、2014/2015年にはエボラ出血熱ウイルス病の歴史的感染拡大により乳幼児栄養対策・予防接種・成長観察などの通常保健サービスが提供できなくなり、内戦終了後から継続してきた緩やかな改善傾向が逆行することとなった。エボラ出血熱ウイルス病の蔓延により、保健状況のみならず経済活動も停止し、国家開発に大きなダメージを被った。

終息後、海外からの大規模支援を受け復興に取り組んできたが、基礎的な保健医療指標、特に小児の生存に関わる指標は未だに世界的に見て劣悪な状況にある。

そこでシエラレオネ政府は、母子保健サービスの質の向上を重点取組課題として掲げ、母子保健サービスの改善に取り組んでいるものの、特に中核病院のサービスの質に関しては未だ大きな課題がある。

シエラレオネでは、重篤な状態にある小児は国内唯一の小児専門病院である首都フリータウン市のオラ・ドゥリング中央子ども病院が対応しているものの、施設の老朽化や機材の不足により、医療サービスの質は低く、専門病院としての機能を十分に果たしていない。

プロジェクト概要

中央子ども病院サービス向上プロジェクトは、日本の無償資金協力「フリータウン子ども病院改善計画」にて建設される新子ども病院にて質の高い医療サービスが継続して提供されるよう、病院マネジメントの強化、人材育成(看護管理、医療機材管理)を行う。

協力期間は、2022年3月より4年間を予定し、病院管理・看護管理・医療機材保守管理・研修管理を専門とする4名の専門家チームが技術指導にあたる。