本技術協力プロジェクトは、2009年2月に終了した「タンザニア国地方開発セクタープログラム策定支援調査」に続く支援事業の一つで、タンザニア政府が2006年から進めている農業セクター開発プログラム(ASDP)の主要コンポーネントである県農業開発計画(DistrictAgricultural Development Plan:DADP)の効果的な計画策定・実施の実現に向けて、その実施体制の強化を支援しています。
政府が進める地方分権化の下、ASDPにおいて創設されたバスケットファンドの予算のうち75%が県レベルでの農業開発に利用される仕組みとなっています。各県のDADPにおいては、当該県の農業セクターの現状分析、上位戦略との整合性、インフラ整備と研修・普及との一体的な実施等の観点から、村レベルからボトムアップアプローチで効果的な開発計画を策定することが求められます。また、事業進捗状況及び支出実績を含む四半期毎の事業進捗報告を正確かつ迅速に取りまとめることが事業監理および説明責任の観点から求められています。さらにはこれら全体を包括する制度・システムの構築が課題となっています。
ASDPが対象とするタンザニア本土の全ての県を対象として、ASDPを実施する農業セクター関連省庁(農業食糧安全保障協同組合省、畜産漁業開発省、産業貿易省、首相府地方自治庁)により構成されるDADP計画策定・実施作業部会メンバーを主たるカウンターパートとして、DADPの計画策定・実施の両面について質の向上を図るため、中央省庁・州・県レベルの関係者への研修・セミナー・巡回指導、ガイドラインや様式の改善、データの取りまとめ支援等を行っています。