2022年度の概況 地域別の概況

東南アジア

地域の発展、平和と安定、域内格差の是正へ官民のパートナーと共に

2022年度の概況 地域別の概況

東南アジア

地域の発展、平和と安定、域内格差の是正へ官民のパートナーと共に

地域別事業規模(2022年度) 東南アジア 協力実施国 9 カ国 事業規模 8,884 億円

日本にとってますます重要さを増す
ASEAN諸国

東南アジア諸国連合(ASEAN)の各加盟国は、日本政府が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の中核を成す存在です。ASEAN諸国はコロナ禍の影響を受けつつも高い経済成長を維持しており、日本の貿易・投資にとってもますます重要な経済パートナーとなっています。

一方、地域の開発課題は高度化・複雑化しており、社会経済インフラと人材育成の両面で膨大な開発ニーズがあります。

7つの重点領域

JICAは、東南アジア地域の発展、平和と安定、域内格差の是正に向けて、以下を重点領域として取り組んでいます。

また、JICAは、東南アジア各国の政府だけでなく、企業、大学・研究機関、ASEAN事務局や他開発機関など幅広いパートナーと協力し、インフラ整備や人材育成などに取り組んでいます。

コロナ禍前より協力を拡大、新たな試みも

2022年度は、フィリピン、タイ向けの新型コロナウイルス感染症危機に対応するための緊急財政支援をはじめ、コロナ禍からの経済社会活動の回復を後押しする協力を行いました。また、専門家の派遣や研修員・留学生の受入れをコロナ禍以前の水準に引き上げるとともに、有償・無償資金協力を拡大しました。その結果、都市鉄道案件を含むフィリピン、インドネシア向けの当年度円借款供与額は過去最大となりました。

フィリピンでは、JICAが約20年間継続しているミンダナオ地域での平和構築協力が評価され、バンサモロ地域議会で2023年1月、JICAへの感謝決議が採択されました。カンボジアでは、JICAが25年にわたり協力してきたカンボジア地雷対策センター(CMAC)と連携して、ウクライナ非常事態庁の職員向けに地雷・不発弾対策研修などを行いました。

またタイとの間では、同国外務省国際協力局(TICA)が初めて日本に派遣するタイ人ボランティア2名(国際観光推進員として地方自治体で活動)の受入れを支援し、新しい形での双方向の協力が実現しました。

ベトナム:ホーチミン市都市鉄道事業[ベンタイン-スオイティエン間(1号線)]の試運転開始式典の様子(2022年12月)。日本の協力でベトナム初の地下区間を含む都市鉄道を整備中。市民の足として生活に浸透することが期待される

(注)事業規模についてはJICA年次報告書2023年度版P.37「地域別事業規模」の注記を参照。なお、四捨五入の関係上、合計が一致しないことがあります。