開発効果を高めるパートナーシップ

外国人材受入れ・多文化共生支援

共に生きる豊かな社会の実現へ

開発効果を高めるパートナーシップ

外国人材受入れ・多文化共生支援

共に生きる豊かな社会の実現へ

日本で働く外国人材はこの10年で約2.7倍の182万人に増加しました※1。その多くは開発途上国出身で、送金などを通じて母国の経済成長にも重要な役割を果たしています。日本の持続的な経済成長のためには今後20年で現在の4倍、約674万人の外国人労働者が必要と試算されており※2、社会経済の発展、地方創生の新たな担い手として外国人材の活躍が必要とされています。

JICAは外国人材が直面するさまざまな課題の解決に向け、外国人材との共生社会の構築、送出国・日本双方の経済成長のための人材育成、外国人労働者の人権保護など、JICAの強みを生かした取り組みを進めています。

外国人材との共生社会の構築

地域が抱える外国人材受入れ・多文化共生に関する課題の解決に地方自治体などと協働するため、地方自治体や国際交流協会、JICA国内機関に国際協力推進員を配置しています。北海道の釧路・根室地域では、JICA、地方自治体、札幌出入国在留管理局釧路港出張所、海外協力隊の経験者が連携し、それぞれの強みを生かして外国籍の住民も参加しやすい地域の交流イベントを開催するなど、外国人材の受入れ支援と多文化共生社会の構築に向けた地域プラットフォームの形成に取り組んでいます。

経済成長のための人材育成

JICAは日本センター※3などを通じて、日本での就労に関心を持つ外国人材に日本での生活やビジネス環境に関する正しい情報を提供し、就労に向けた準備を支援しています。高度人材就職セミナー、日本からの帰国留学生との意見交換会、就職フェアの開催など、各国の日本センターと日本の省庁・地方自治体を含む関係機関が連携した取り組みが広がっています。

外国人労働者の人権保護

2023年1月、企業活動における人権侵害を防ぐ「ビジネスと人権」の促進を目的とした協力覚書を国際労働機関(ILO)と締結しました。双方の専門性や知見を生かして、「ビジネスと人権」における協働を進めています。また、公的機関のガバナンス強化を通じた労働者の保護にも取り組んでいます。開発途上国の公的機関で労働者送出や帰国後支援に携わる人材を日本に招へいし、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)実現に向けた労働政策に関する研修なども実施しています。

※1 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)。
※2 JICA緒方研究所「2030/40年の外国人との共生社会の実現に向けた調査研究」(2021年度)。
※3 日本人材開発センター(通称:日本センター)は、東南アジアや中央アジア地域などの市場経済への移行を支援する目的で設立されました。JICAは同センターを日本と相手国の交流拠点(プラットフォーム)として発展させるため協力しています。

責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)

外国人労働者の適正な受入れの取り組みを推進

JP-MIRAIは、日本国内の外国人労働者の課題解決に向けて、2020年11月に民間企業・地方自治体・NPO・学識者・弁護士・JICAなど多様なステークホルダーが集まり、設立された任意団体です。現在の会員数は659団体/人※4です。

2022年に開設した9言語対応のポータルサイトやアプリを通じて、外国人労働者に対し日本での暮らしや就労に役立つ正しい情報を提供しています。ポータルサイト登録者は2,225人※4に上っています。また、2022年5月には「JP-MIRAIアシスト(相談窓口)」を開設。労働・在留・生活上の困りごとを9言語で受け付けており、これまで約1,100件※4の相談がありました。

※4 2023年7月現在の実績。