地図情報を集約し、データ化を実現。
県庁の業務効率アップに貢献。
私が配属されたのは、タンザニア・バガモヨ県庁の土地環境課。バガモヨ県の土地開発に必要な「測量データの収集・管理」と「土地の登記や地積測量図の管理」という2つの役割を担っていました。当時タンザニアでは、主に投資目的の土地取引が非常に活発に行われており、土地の管理に必要不可欠な地図の需要が高まりつつありました。にもかかわらず、私が赴任したとき目にしたのは、「地図」とは名ばかりの航空写真と手描きの観光マップのみ。住民を対象とした地図コピーの無料発行サービスも、費用や手間が原因で、ほぼ機能していなかったのです。
そこで私が着手したのは、地図情報の集約とデータ化でした。具体的には、基盤となるバガモヨ県全体地図のデジタルデータに、システムを使って登記情報や地積測量図の情報などを追記し、デジタルデータの形式で必要な情報を集約していくという作業でした。
ところが、バガモヨ県全体地図のデータが存在しなかったため、まずは首都ダルエスサラームにある、日本でいう国土交通省にあたる機関に出向き、全体地図として使える航空写真のデータの提供を依頼することに。当初は「怪しい外国人が来た!」と思われたのか、提供を断られましたが、あきらめずに上司のレターを持って再度依頼。スワヒリ語で依頼の趣旨を懸命に説明して、何とかデータをもらうことができました。
地図情報のデータ化が完成し、1つの地図の中に登記や地積測量図の情報が集約されたことで、県庁の仕事の効率がアップ。さらに私の活動を知ったダルエスサラームの機関から、ほとんど進んでいなかった地図のデータ化への協力依頼があり、何度か首都に足を運んでデータ化を支援しました。