森田 光一(もりた こういち)さん 青年海外協力隊

ルワンダで見つけた「働きかた」現地での経験を会社に還元しながら、次の目標を目指します。

2016.02

学生時代の海外ボランティアで挫折し、
広告業界で経験を積み再度チャレンジ。

大学4年の春休み、NGOが運営する南アフリカの孤児院で2ヵ月間のボランティア活動をしたのが開発途上国での初めてのボランティア経験です。掃除や料理、算数と英語の先生のサポートを住み込みで行うなか、活動の改善策を思いついても知識や経験が足りない自分にはうまく提案することができず、自分のふがいなさを思い知らされました。このとき感じた悔しさから、実務経験を積んで、再度ボランティアに挑戦したいと思っていました。
卒業後は広告代理店に就職。国内の広告業務で6年間、寝食を忘れて仕事に没頭していたあるとき、「海外で働きたい」という学生時代からの気持ちを思い出したのです。

会社を離れるため退職届を出すも、
上司の計らいで休職扱いに。

さまざまな進路を検討した結果、縁あって青年海外協力隊に応募することに。仕事で培ったマーケティングの実務経験を生かして、ルワンダのプログラムオフィサー(現:コミュニティ開発)に合格しました。在籍していた会社は最長1年までしか休職できなかったため、退職届を提出しましたが、理由を知った上司が人事に掛け合ってくださり、社でも前例のない2年半の休職扱いにしてもらえました。「休職扱いだからといって、帰国後、必ずうちに戻らなければいけないわけじゃない。海外経験を最大限に生かせるところで働けばいいからね」と言ってくださった、上司の温かい心遣いにも感謝しています。

ルワンダの地域銀行で業務改善をサポート。
各銀行の改善策の情報共有を促す。

当初、ルワンダ政府が私に要望していたのは「商品開発やプロモーションのアドバイス」でしたが、実際の活動について現地配属先の上司やJICAスタッフと話し合った結果、ルワンダ政府が当時力を入れていた金融の仕事をすることになりました。所属することになったのは、日本でいえば中小企業庁のような組織の、地域銀行を支援する部署。そこでの主な活動は、ルワンダにある416の市町村の地域銀行で、業務改善をサポートすることでした。
私はまず、全国の銀行へ足を運び、実態調査を行うことにしました。貸し出しがあまりできていない銀行ではその理由を書類やインタビューから分析し、利用頻度が少なく自動的に口座が消滅してしまった利用者には「なぜ使わなくなったか」を聞いて、どうすれば改善されるかを提案していきました。
また、「銀行の場所を示す看板を外に出す」「銀行職員であることを示すネームホルダーを付ける」などといった、各銀行が行なっている良い取り組みをほかの銀行でも実行できるように、写真付きの資料を作って配布したり、セミナーを開いたりして、銀行間の情報共有を促進しました。
そのほか、近隣地域から銀行職員を集めて、農家向けの貸し出しを増やすセミナーも開催しました。ルワンダの農産物の輸出第1位はコーヒーです。そこで、コーヒー産業の発展、ひいては貧しい農家の収入向上のために、農家に貸し出しを行う銀行職員に、コーヒーの知識を付けてもらおうとしたのです。講師をしてくれたのは、ルワンダにあるスターバックスのファーマーズサポートセンターのスタッフ。活動中は、現地の人々に助けられることが多かったです。

JICAボランティアで得たもの

自分の専門の知識や経験を生かして、
ビジネスマンとしてアフリカに寄与したい。

協力隊の活動から学んだのは、与えられた仕事をこなすのではなく、課題や改善点を自ら発見し、周りの人たちを巻き込みながら解決していくこと。積極的に行動を起こすようになりましたし、諦めずにしがみついてでもやり通す強さがつきました。何度も念を押しながらプロジェクトを進めるので、上司や同僚から「しつこくなった」と言われるほどです。
また、ルワンダでの経験から仕事の面で実感したのは、専門性を強化することが重要だということ。帰国後は赴任前と同じ会社に戻ったのですが、今度はビジネスマンとして、自分の専門の知識や経験を強化してそれを生かし、ルワンダやアフリカの発展に寄与したいと思うようになりました。そこで希望を出して配属されたのが、日本企業が海外で商品を売るためのプロモーション活動をお手伝いする部署。今は東南アジアが中心ですが、ゆくゆくはアフリカ、そしてお世話になった東アフリカ地域に進出する日本企業のお手伝いを、現地でしたいと思っています。

これからJICAボランティアを目指すみなさんへのメッセージ

人生は一度きり。
「行きたい」という気持ちに正直に。

人生は一度きりです。私は、協力隊に行っていなかったら、
「なぜあのとき行かなかったのだろう」と後悔していたと思います。
「行きたい」という気持ちが少しでも芽生えたなら、その気持ちに正直になってほしいです。
私のように現職参加することのメリットは、戻ってくる場所があるからこそ安心して挑戦できること。
会社が休職を許可してくれるなら、帰国してからの就職活動を心配せずにすむので、
活動に専念することができます。
ただし、2年間という限られた時間をどれだけ充実させられるかは自分次第。
事前にしっかり準備をして、現地ではできることはなんでもして、
周囲に協力を仰ぎながら精一杯活動してください。

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青年 グローバルキャリア # 民間企業 # 経験を生かす # 休職 # 現職参加制度