現在の場所は

(7)物理的な流通網が不在・脆弱

BOP層生産者による生産体制や流通体制が確立していないことや既存体制が脆弱であることがリスクとして想定されます。その結果、BOP層生産者への訓練や、点在するBOP層農家からの集荷が必要となり、企業が負担する生産・流通コストが高くなる傾向があります。

対応策

対応策(1):既存の生産者団体の活用

既存団体の人材を活用した教育コスト削減や、集荷センターの活用による生産・流通体制の構築が図られています。

参考事例

農林水産業セクター(アジア):

農作物の一次加工品生産を通して、現地における雇用促進や所得向上を目指すJ社では、自社で新たな生産体制を構築するのではなく、既存の生産者団体と連携することで、団体の有する人材、ノウハウ、流通網を活用した安定的な原料調達を行っています。

対応策(2):既存流通網の活用

自社セクター以外の流通網や公共の交通機関等のインフラを活用することで、流通体制の確保が図られています。

参考事例

農林水産業セクター(アフリカ):

【画像】

株式会社坂ノ途中は、ウガンダで農薬や化学肥料を用いずに行う環境負荷の少ない有機農業技術を現地のBOP層農家に移転し、生産した野菜を高付加価値化して販売することで、持続可能な農業の普及や農家の所得向上に取り組んでいます。農村部で栽培された農作物は、首都カンパラ市内を販売先としていますが、流通網が脆弱であるため、生産地から消費地への流通には公共バスの活用を試みています。この取り組みは試験的ですが、BOPビジネスにおいては、型にはまった考えから脱し、現地のリソースを可能な限り活用する工夫が求められるといえます。

当初は日本人スタッフが栽培指導やモニタリングを行う際に作物を受け取り、独自に運搬していましたが、生産者の技術が向上して自立が進むにつれ、直接畑に足を運ぶ必要性が少なくなりました。そこで、栽培された作物を現地生産者が直接、バスで運ぶ方法に切り替えるに至りました。

※写真は野菜の栽培を行う畑での様子です。

対応策(3):新規組織の形成

新規に団体を組織することで、集荷センターの設置や流通網の確保を行うことが出来ます。

参考事例

農林水産業セクター(アジア):

医薬品の原料となる薬草栽培を通じてBOP層の所得向上を目指すK社では、栽培地や加工工場へのアクセスを考慮して生産者グループを独自に組織化し、各グループに農作業に必要なトラクターなどの機材を貸し出すことで、リソースの効率的な共有を行っています。このような体制で生産された薬草はグループの中心となる拠点に設置された集荷センターに運ばれます。それにより、生産者は少ない負担で出荷を行うことができ、企業側は効果的な集荷が可能となります。

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