総合診療研修で用いられる、内科マニュアルの開発が開始されました

2020年6月4日

プロジェクトでは、これまで小児科マニュアル(プロジェクトニュース2018年10月18日、同11月13日、2019年3月8日参照)、産婦人科マニュアル(プロジェクトニュース2019年1月8日、1月19日、6月28日参照)、救急科マニュアル(2019年7月24日、8月15日参照)、そして手技習得のためのマニュアル(2019年6月24日、2020年3月19日参照)の開発に取り組んできました。これらは、総合診療研修で研修医が使用するマニュアルですが、この度内科のマニュアル開発に取り組むことになりました。

6月4日、チンギルテイ地区病院にてキックオフミーティングを行いました。活動を開始するに先立って、保健省の内科専門委員会の主要メンバーに、マニュアル開発のコンセプトを共有し、アドバイスをいただきました。また病院長から指示を出していただき、ワーキンググループを発足させました。キックオフミーティングでは、まずマニュアルの意義やコンセプト、またマニュアルの作成手段についてメンバーで共有しました。そして、マニュアルに含める内容について、早速議論を開始しました。

これまでのマニュアルは、全て研修医を現場で指導している地域の病院の指導医たちが中心になって開発してきています。作成にあたっては、保健省が認可している診療ガイドライン、国内で広く利用されている教科書や国際的に利用されている教科書を参照し、国際基準に則った診療を行うことができるように配慮してきました。できる限り、研修医が現場で活用できる内容にすること、また研修終了後に地域で診療する際にも参照できる内容にすることも目指しています。

マニュアル開発は研修医のためですが、実はこれまでのマニュアル開発を契機に、開発に関与した指導医たちの研修医教育に対する意識が変わりました。今まで取り組んだことがなかったマニュアル作りに主体的に関わることで、指導医たちの能力強化にもなりました。これからしばらく、忙しい診療の合間を縫ってマニュアル開発に取り組んでいただくことになります。ぜひ、指導医たちにもプラスになるよう、プロジェクトから技術支援を心がけたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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チンギルテイ地区病院でのキックオフミーティングでは、過去に作成されたマニュアルも参照し、具体的にどのようなマニュアルを開発するのか、コンセプトを共有しました