松尾洋子 青年海外協力隊 20年度1次隊/エジプト/服飾
4月上旬、石巻市へ炊き出しに出かけました。求められていることは数多くあり、どんな事でも自分ができることであればやってきました。しかし個人で来て活動しても支援できる人の数、支援の形には限界があり焦燥感に駆られ毎日が辛くて泣いていました。そこで、団体に所属して活動するメリットを実感し、もう一度団体として東北の支援に関わりたいと思いインターンを希望しました。
はまっぺし(持ち寄り食事会) (岩手県大船渡市)
「はまっぺし(持ち寄り食事会)」というイベントを継続して行なっているある仮設住宅の女性達から不満の声が上がりました。「参加者が少ないのに何で続けているの、私は行きたくない。」、「自分のうちのご飯を人様の前に出すのに抵抗がある、良いものを作らなきゃと思うから材料費も高くつくでしょ。」、「何の意味があるの。」
苦情があった事は悲しい出来事でした。しかし、被災者と支援者の間にできていた壁が崩れたようにも感じました。
そこで、私はその仮設住宅の中で任意で作っている女性グループの共催という形でいろいろと要望を聞き、普段は夕食の持ち寄り食事会だったのを昼間の持ち寄りのお茶会を企画しました。女性グループには人集めや準備を手伝ってもらいました。すると、参加人数はこれまでの約2倍そして、初めて参加される方が3名ほどいらっしゃいました。
この半年で気づいた事があります。「地元の方の呼びかけだと来るのだけどボランティアや団体で呼びかけると来ない」、「また、その逆もある」という事を。それはやはり、交流の場が違うからだと思われますが、それだけで終わらせるのではなく、もっと地元の方と協働してお互いの良い所を活かし、悪い所を認め合えば今後更にいい活動ができるのではないかと思いました。
子どもたちと駐車場にお絵かき (岩手県大船渡市)
今後、2月から3月にかけて個人的に行なっていた「生計向上のプロジェクト」を進めるため石巻市に住む予定です。そこでは被災した反物を使って商品開発を行ないます。石巻市の商店街の方と佐賀県の高校生とタッグを組むプロジェクトです。今回学んだ調整業務、仮設住宅に住む住民の方々との接し方や協働していく時の心構えなどを生かして石巻市に根付いた活動を行なっていきたいです。