西村梨沙 青年海外協力隊 21年度1次隊/シリア/幼児教育
「こどものこころのケア」保育士のグループディスカッションの様子
協力隊に参加してから、NGOやNPOという言葉をよく耳にするようになりましたが、実際にどのような組織なのか知りたいと、漠然と思っていました。
また、シリアに派遣中に東日本大震災が起こり、日本から遠く離れて何もできないことに歯がゆさを感じていました。帰国して短期ボランティアとして何度か被災地に足を運び、泥だしやがれき撤去、ニーズ調査、写真洗浄など様々な作業を行いました。そんな中で、震災の影響を受けた子どもたちと触れ合う機会があり、長期で関わる必要性を感じたとともに、今後も支援活動を続けるのであれば、私が持っている保育者としての知識や技術を活かした方が、被災地の方々のためになるのではないか、そのように感じている時にこの制度に出会いました。
グリーフケアの様子
これまで保育者として、協力隊員として、「自らが現場で動く」という経験しか持っていなかった私にとって、プロジェクトの調整は初めての業務でした。しかし、受け入れ先のスタッフの方々から丁寧に仕事を教えていただき、私の知らなかったNGOの現場、調整という仕事について学ぶ、貴重な機会となりました。「こころのケア」「グリーフケア」の調整では、繊細な部分への働きかけということで、言葉の難しさや話の伝え方を考えるきっかけとなり、講師の先生方からは多くのアドバイスをいただきました。
また被災地の子どもたちがいる現場からは、命の重さ、その重く尊い命を預かっているのだということを、保育者として再認識することができました。
現場の把握が十分でなく、予定していたワークショップを中止せざるを得なくしてしまったことも、説明の仕方が悪く被災者の方の気分を害してしまったこともあります。大変だったことや反省すべきことは多くありますが、それ以上に多くのものを得ることのできた半年間だったと、出会った皆様に大変感謝しています。
受け入れ先NGOスタッフの方々と前列左から2番目が西村さん
4月から幼児教育の現場に戻りますが、これからを担っていく子ども達はもちろん、同僚や保護者の方々と、震災について一緒に考え、学んだことを実践していきたいと思っています。
また、これからも被災地にアンテナを張り、何かの形で被災地とつながっていくことができたらと考えています。