NGO活動レポート

循環型社会を目指し環境保全事業に取り組むNGOで、運営・業務マネジメントノウハウ、プロジェクトの調査・計画・実施手法を学ぶ(日本、ケニア共和国)

田島久美子  青年海外協力隊 平成24年度3次隊/派遣国ケニア/職種村落開発普及員

活動期間
2015年7月15日~2016年1月14日
活動テーマ
循環型社会を目指し環境保全事業に取り組むNGOで、運営・業務マネジメントノウハウ、プロジェクトの調査・計画・実施手法を学ぶ
受入団体名
特定非営利活動法人 アフリカ児童教育基金の会ACEF
Q1.NGOでインターンをしようとしたきっかけは何でしたか?
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環境保全事業に関する調査

私は青年海外協力隊24年度3次隊としてケニア・エンブ郡の農務官事務所に配属され、2013年2月より2年3ヵ月、農業技術普及に関する活動を行いました。農業の知識や経験がほとんどないなかで、ネリカ米の普及活動や、農業普及員のなかでの情報管理・伝達に関する改善活動を行いましたが、どのように同僚を巻き込んだ活動にしていくかという葛藤が常にありました。

インターン先のACEFは任地で20年以上拠点を構えているNGOで、私の赴任当時、外務省のNGO連携無償資金協力を受けて「循環型社会に向けたリサイクルシステム構築支援プロジェクト」を実施している最中でした。プロジェクトの主活動であった農民向けコンポスト技術普及研修に私自身も参加する機会がありましたが、そこで驚いたのは、農民に対するわかりやすい研修、何より現地スタッフが自らプロジェクトに積極的に関わり、農民を巻き込んでいく姿です。私自身が活動に苦労していたこともあり、「一体どのようにこうした活動を築いているのだろう」と、関心が高まりました。

ACEFとはその後、配属先でのコンポスト普及活動で協働したほか、ゴミ問題に関するワークショップの共同開催などを行いました。こうしてACEFと直接的・間接的に関わる中で、実際に組織の中でNGOの事業運営についてより深く学びたいとの思いが強まり、インターンを希望しました。

Q2.インターンとしての経験(勤務状況、大変だったこと、嬉しかったこと等)と、経験を通して学んだことは何ですか?
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植林事業に関する乾燥地の調査


インターン期間中は、5ヵ月間をケニアの現地事務所での業務、最後の1ヵ月を国内業務に当てました。
実際に行った主な業務は、次のものです。
●環境保全分野新規事業(エンブ郡における環境教育人材育成)の調査・計画、提案書作成
●小学校における環境教育授業の実施
●医療分野における新規事業(看護学校設立)の調査・計画、提案書準備
●エイズ孤児院の授業補佐
●消防車贈呈事業補佐
●植林事業調査
●団体内の体制整備

全体に、環境保全と医療分野における新規事業の立案が主となりました。立案に当たってやるべきことは多く、現地調査や関係者との打ち合わせ、必要資料や経費の確認、他事例の確認など大いに勉強させていただきました。ACEFではこれまでに病院と小学校の建設も行っており、現在、運営は現地側に引き継がれていますが、地元での評判もよく、効率的な業務執行がされています。業務にじっくり取り組ませていただいたこと、また病院や小学校など、既に実施されている成功事業を身近に見ながら学べたことは、貴重な経験でした。

「なぜこうした活動ができるのか」という当初の疑問についての答えは、隊員とは異なり、NGOとしての自己資金があること、それによって規模の大きい事業ができることなどもありましたが、最も大きいものとしては「理念のある援助をしていること」ではないか、というのが、活動を通じて得た実感でした。隊員時代は、「援助者として介入しながらも視点は裨益者側である」という立場で、自身に迷いが生じてしまっていたのだと思います。当然のことではありますが、「問題を抱えている人々の支援をする」という基本に忠実に行くこと、ブレないことで、着実に現場に根付く援助ができるのだと感じました。

全体に積極的に関われたと思いますが、自主性に任される部分も多い分、時間の使い方や業務の進め方をもう少し工夫できたのではないかという反省もあります。また、事業の立案部分が主だったため、実際の事業運営に携わることが少なかったのが心残りでした。今後の活動で補っていきたいと思います。

Q3.この経験を今後どのように活かそうと考えていますか?
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エイズ孤児院での工作(切り絵)授業

インターン期間終了後、スタッフとして引き続き団体に在籍することが決まりました。今後は、インターン期間中に立案に携わった事業の運営・実施部分にも携わり、事業全体の一貫した経験を積みたいと考えています。

隊員期間中に、配属先で様々なプロジェクトの支援側の意図と現場とのギャップを多く目にしました。現場との齟齬によって、結果として費用や時間など多くの無駄を生じることは非常に残念です。将来的には、国際協力分野のコンサルタント会社などに所属し、現場に根付く、効率的なプロジェクト実施に貢献していきたいと考えています。

・帰国隊員進路情報ページ