NGO活動レポート

途上国におけるプロジェクトコーディネート・マネジメントスキル習得のためのNPOインターン(日本、ガーナ)

大谷可菜子  青年海外協力隊 2014年度1次隊/ガーナ/感染症・エイズ対策

活動期間
2016年10月13日~2017年3月27日
活動テーマ
途上国におけるプロジェクトコーディネート・マネジメントスキル習得のための
NPOインターン
受入団体名
NPO法人Doooooooo
Q1.NGOでインターンをしようとしたきっかけは何でしたか?

途上国で国際保健に関わる仕事をしたいという思いから青年海外協力隊に参加し、ガーナで感染症・エイズ対策隊員として、健康教育や乳幼児健診の改善等に取り組んできました。活動を通して、保健分野の問題には教育や経済の問題が根深く関わっており、その解決のためには包括的に現地の人々の生活をみていかなくてはいけないという考えが大きくなりました。

また、途上国でプロジェクトを運営していくためには、現地スタッフやパートナーの存在が大きく影響すること、マネジメントやコーディネート能力が不可欠であることを感じてきました。

そんな中で、ガーナでプロジェクトを行っていた同NPOの活動に参加させていただく機会があり、専門と離れた活動を行うことで、ガーナの人々の生活や考え方がよりよく見えてきたり、病気や医療に関しても色々な視点から見ることができるようになりました。しっかりと専門性をもって、根拠に基づきながら現地のニーズに沿った支援やプロジェクトを行えるようになりたいという考えから、途上国での感染症関連の研究を行っている大学院に復学予定でいましたが、同時に、マネジメントやコーディネートの能力も身につけいと考えるようになりました。

そこで、あえて専門分野とはなれた、教育や雇用創出の分野で活動している同NPOでのインターンを希望するに至りました。

Q2.インターンとしての経験(勤務状況、大変だったこと、嬉しかったこと等)と、経験を通して学んだことは何ですか?
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活動先の村の子どもたち

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雇用創出プロジェクトの制作現場

国内業務では、ガーナでの活動では経験できなかった、資金調達や広報、事務作業など、組織を運営していくために必要な業務を幅広く経験させていただきました。 イベントや展示会の準備から参加したことが何度かありましたが、現地の事を知らない方々とお話をしたり、プロジェクトや製品についてのご意見を直接伺ったりする機会を持つことができ、それを現地にフィードバックすることができたことも、大変貴重な機会でした。一般の方向けに現地の事をわかりやすく伝えること、多くの方々にプロジェクトに興味を持ってもらえるような広報を行うことの重要性も多くの場面で感じました。また、書類作成などの事務作業も、どのような組織においても必要となる重要な業務であると感じました。

ガーナでの業務では、現地スタッフのトレーニングや他組織との連携、プロジェクト運営のためのシステム作りなどに関わらせていただきました。隊員として個人で動いていた時とは違い、他のNPOスタッフや、プロジェクトに関わる人や物事の全体スケジュールを把握しながら活動を進めていく必要がありました。当たり前のことではありますが、現地スタッフと働くときのコミュニケーションの大切さや、確認・報告の重要性も多くの場面で感じました。また今回は、仙台から東京とガーナを行き来しての勤務形態だったのですが、遠隔からプロジェクトを管理し、マネジメントしていく難しさも痛感しました。日本にいるときの現地対応では、Skypeや電話を使ってのミーティングや、メール等でのコミュニケーションが中心でしたが、それゆえに生じる問題や難しさがあり、こういったことにも対応できるようにスキルを磨かなくてはいけないと思いました。今回のインターン活動は、日本・ガーナのたくさんの方々に支えていただきながら、大変有意義な時間を過ごすことができたと思います。また、2年間の隊員活動期間に築いた現地との信頼関係を生かして活動を行えたことは、とても嬉しかったです。

Q3.この経験を今後どのように生かそうと考えていますか?
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現地スタッフとのミーティング

現在は、博士課程の学生として大学院に在籍していますが、将来は、途上国で国際保健に関わる仕事をしていきたいと考えています。
また、今後も研究活動と両立しながら、同NPOでの活動を続けていきたいと思います。
国際保健分野において、専門的な知識と、現地の実際の状況とのギャップを埋めるような役割を果たせるようになりたいと思っているので、このインターン活動で学んだように、色々な角度から人々の生活を見て、理解していく姿勢を忘れずに持ち続けたいと思います。
まずは、所属している研究室で、専門分野に関する知識や経験を深めつつ、今回のインターンで学んだスキルを生かしながら、途上国での研究活動を進めていきたいです。

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