広島で育ち、幼い頃から平和や国際協力に関心を抱いていた宮本さん。その関心は食料問題や環境問題にも広がり、農業経済学の専攻へとつながりました。修士号取得後に参加した青年海外協力隊では、ウガンダでコミュニティ開発隊員として活動し、人々の生活や課題を日常の中で実感する貴重な経験を得たということです。帰国後はJICA筑波で研修指導者として勤務し、農業分野の専門性をさらに高めました。協力隊での経験を活かし、より広い枠組みで国際協力に携わりたいと考えたことが、JOCV枠UNVへ応募する決意につながったそうです。
広島で育った私は、幼少期から平和や国際協力に関心を持つとともに、食料問題や環境問題にも強い関心を抱いてきました。そうした思いから農業経済学を専攻し修士号取得後、青年海外協力隊に参加し、2021年6月~2023年9月ウガンダでコミュニティ開発隊員として活動しました。現地では稲作農家を対象に栽培技術の普及や生活向上支援に携わり、開発途上国の人々の生活や課題を、日常生活を共にする中で実感する貴重な経験を得ました。帰国後はJICA筑波で研修指導者として勤務し、農業分野の研修コースに関わることで、JICAの国際協力や人材育成の仕組みへの理解を深めるとともに、農業分野の専門性を高めました。以前から関心を持っていた国連での業務に挑戦したいと考える中で、協力隊経験を活かして国際機関で活動できるJOCV枠UNV制度を知り、応募を決意しました。協力隊で得た現場感覚とその後の経験を活かし、より広い枠組みで国際協力に貢献したいと考えています。
私がUNVとして2024年11月に国連開発計画(UND)スリランカに着任して以来、主に農業と再生可能エネルギーを組み合わせたプロジェクトの推進に携わってきました。特に、気候変動の影響を受けやすい農村地域において、太陽光パネルなどの再生可能エネルギー技術を活用し、小規模農家の生産性向上と生計の安定化を図る取り組みを担当しています。具体的には、対象地域の農家の現状を把握するためのベースライン調査の設計・実施、研修プログラムの企画、関係機関との調整、事業の進捗管理など、プロジェクト運営の幅広い業務に関わっています。活動の中で直面した困難の一つは、多様な関係者との調整です。政府機関、地方行政、NGO、農家グループなど、それぞれ異なる立場や期待を持つ関係者と協力しながらプロジェクトを進める必要があります。時には意見の違いや優先順位の差から、計画通りに物事が進まないこともありました。そのような場面では、現場での対話を重ねながら相手の立場や背景を理解し、共通の目標を再確認することを大切にしました。また、協力隊時代に培った「現場目線」を意識し、農家や地域コミュニティの声を丁寧に拾い上げることで、関係者の合意形成につなげるよう努めました。この活動を通じて感じているのは、国際機関のプロジェクトは単に技術を導入するだけでなく、さまざまな主体をつなぎながら持続可能な仕組みをつくっていくことが重要だという点です。協力隊での経験が、地域の人々の視点を理解する上で大きな助けとなっている一方で、国際機関の枠組みの中で政策や制度と結びつけながら事業を進める難しさと面白さも日々実感しています。今後も、現場の視点と国際機関のアプローチの両方を活かしながら、より実効性のある国際協力に貢献していきたいと考えています。
帰国後は、これまでの経験を活かしながら国際協力分野でのキャリアをさらに発展させていきたいと考えています。具体的には、国連機関での専門的な実務経験を積むためJPO制度JPO制度(Junior Professional Officer 制度、各国政府が費用を負担し、若手人材を国際機関に一定期間派遣する制度)への応募を検討しています。また、開発コンサルタントとして途上国の農業・農村開発分野や、環境・気候変動対策分野に携わる道も視野に入れており、政策立案やプロジェクト形成・評価など、より広い視点から国際協力に関わることにも関心を持っています。これまで、協力隊としての現場での活動、帰国後のJICAにおける研修事業への関与、そしてUNVとして国連機関のプロジェクト運営に携わる中で、国際協力の現場・実施機関・国際機関それぞれの役割や強みを学んできました。今後はこれらの経験を統合し、農業や食料安全保障、気候変動といった分野で、現場の実情を踏まえた実践的な国際協力に貢献していきたいと考えています。
JOCV枠UNV制度は、協力隊で培った現場感覚を活かしながら、国際機関のプロジェクトに直接関わることができる貴重な機会だと思います。私自身、協力隊での経験を通じて途上国の生活や課題を身近に感じてきましたが、UNVとして働く中で、それらの課題に対して国際機関がどのような枠組みや仕組みで取り組んでいるのかを学ぶことができました。現場の視点と国際機関のアプローチの両方を経験できる点は、この制度の大きな魅力だと感じています。一方で、国際機関の業務では多くの関係者との調整や英語でのコミュニケーションが求められ、戸惑う場面も少なくありません。しかし、協力隊での経験は必ず強みになりますし、現地の人々の視点を理解していることは大きな価値になります。もし国際機関で働くことに関心がある方は、ぜひJOCV枠UNVという選択肢に挑戦してみてください。協力隊の経験が、思いがけない形で次の機会につながることを実感できるはずです。