UNV経験レポート

JICA海外協力隊参加前は社会人サッカーで活躍していた相葉さん。その後、国際協力の道に進む決意を固め、サッカー隊員としてスリランカとミャンマーに赴任しました。協力隊終了後は、人道支援分野への関心を原動力に、ミャンマーでの難民帰還促進やトルコでの震災緊急支援などのNGO事業に携わりました。さらに大学院で国際平和学を学び、現場経験と理論を深めたうえで、JOCV枠UNVとして国連の業務に挑戦するに至ったそうです。

JOCV枠UNVへの応募のきっかけ

私はJICA海外協力隊に参加するまでは社会人サッカーをしており、かねてから関心のあった国際協力の道に進むために協力隊へ参加しました。協力隊ではサッカー隊員として2018年7月から2019年4月にスリランカ、2019年8月から2020年3月にミャンマーに赴き、男女の子どもや青年を対象に、サッカー指導や普及活動に取り組みました。

協力隊終了後は、特に関心を持っていた人道支援分野での経験を積むため、ミャンマーでは難民帰還促進、トルコでは震災緊急支援を行うNGOで事業管理に携わりました。その後、コスタリカの大学院で国際平和学の修士号を取得し、2024年12月に本ポストへ至りました。

国連での業務を志望した理由は二つあります。第一に、NGOにはない国連の事業規模の大きさや、より広い視野からオペレーション全体を俯瞰できる点に魅力を感じたことです。第二に、ミャンマーのNGOで難民の「出身国側」で支援に従事した経験を踏まえ、今回のポストでは「受入国であるバングラデシュ側」の視点から同じ課題に向き合うことで、難民支援全体への理解をより深められると考えたためです。
これら二つが、私がUNVへの応募を決意した大きなきっかけとなりました。

UNVとしての業務

写真1 難民キャンプ内の医療施設引き渡し式に出席

写真1 難民キャンプ内の医療施設引き渡し式に出席

写真2 難民キャンプ内のシェルター建設現場への訪問

写真2 難民キャンプ内のシェルター建設現場への訪問

写真3 難民キャンプ内の衛生用品配布所にて配布衛生用品についての説明を受ける

写真3 難民キャンプ内の衛生用品配布所にて配布衛生用品についての説明を受ける

バングラデシュのコックスバザール難民キャンプではミャンマーから逃れてきた100万人を超えるロヒンギャ難民が避難生活を送っています。彼らの生活は支援に頼っており、そのニーズに応えるため、国内外の多くの国際機関やNGOが支援活動を実施しています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はその中で法的保護、ジェンダーに基づく暴力に対する保護、コミュニティに根差した保護といった保護(プロテクション)事業の他、水・衛生、教育、医療、居住、登録、恒久的解決策といった幅広い支援活動を提供しています。

私が所属するUNHCRコックスバザール事務所のProgramme Unitという部署ではその事業全体の予算管理やパートナーシップ管理をはじめとしたリソースマネージメントを担っており、その中で私は担当する2つの部署の予算管理と担当パートナーとの折衝・契約管理業務をおこなっています。

先に述べたように非常に大きな事業を管理するために、事業の実施部門と予算の管理部門といったように業務が細分化されており、円滑に進めるためには各部門での業務を超えて部門間での調整が不可欠になります。また、部署に付随、あるいは部署横断的に締結したパートナーシップを基に事業を展開しているため、それらの関係者間で調整をすることも私たちの部署の仕事です。UNHCRは独自の事業管理手法と事業資金管理方法を用いており、2025年からの世界的な支援金減少の影響で資金の性質にも変化が起きており、今はまさにその変化に合わせて調整の仕組みを確立しているところです。複雑な仕組みを理解しながら常に変化する状況に適応し続ける事は時に苦労を伴いますが、事業を俯瞰してみることのできる点がこの仕事の醍醐味です。変化に取り残されないよう常に情報を集めながら更新していくことに加え、職場の内外で積極的にコミュニケーションをとり、より良い関係性の構築に努めていきたいと思います。

これからについて

現時点(2025年3月)で残りの任期は9か月ほど残っているので、まずは自分のできる仕事の幅を広げていきたいです。昨今の予算削減の影響により内部でポストを得ていくことは一層難しくなっているといいますが、外部から入るよりは優位性があり可能性はゼロではありません。日々の業務に誠実に向き合い自分にできることは何かを考えながら、今後の進路を決めていきたいと思います。

UNVを目指す皆さんへ

UNV、国連ボランティアというと何か仕事上の裁量に違いが出るのではないかと思う方もいるかもしれませんが(私は少なくとも思っていました)、中に入ればその立場はあえて考慮されることはなく、即戦力としてほかの職員同様に職務に当たり成果を出すことが求められます。UNHCRを含む国連の中にはとても多くの契約形態が存在します。UNVはその数ある契約形態の一つと、私は認識しています。加えて、世界的な資金減少で職員数が減る中、一人当たりの作業量は増加傾向にあります。これを好機と捉える方には今はとても良いタイミングで、JOCV枠UNV制度は国連で働く機会を与えてくれる魅力的な制度だと思います。私は協力隊応募時点でこの制度を見据えていました。JOCV経験者だけでなく、JOCVへの応募を検討しているという方へもJOCV枠UNV制度はリアリティのあるキャリア形成の手段だと、お伝えできれば嬉しいです。

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