帰国後は「JOCV枠UNV制度」(※1)を活用。
UNDP(※2)にて、国際機関でのキャリアをスタート。
任期終了後、「今後も国際協力に関わりたい」と外務省の「JPO(※3)派遣制度」に応募しましたが、結果は不合格でした。開発コンサルティング業界やNGOなど他の選択肢も考えましたが、国連機関に行きたい気持ちを捨てきれず、JICA海外協力隊のOB/OGを対象とした
「JOCV枠UNV制度」(※1)を通じてUNV(国連ボランティア)に応募。選考では協力隊での現場経験が評価され、プログラムオフィサーとしてUNDP(国連開発計画)(※2) モロッコ事務所へのUNV派遣が決まりました。
業務では、協力隊でモロッコ人との接し方を熟知していたことが、プロジェクトの円滑な進行に役立ちました。また、モロッコの国連機関での業務はフランス語ですので、協力隊でフランス語を学んだことが生きました。アフリカはフランス語圏が多く、今後も国際機関で働く上ではフランス語を使えることが重視されます。そのためUNDP(※2)モロッコ赴任中は、語学のレベルアップを自らの課題としました。
滞在中に再びJPO(※3)に応募し、無事合格。中東かフランス語圏のアフリカを希望し、この春から、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)(※4) のスーダン事務所で働くことになりました。次に行くのは予算・規模ともに大きな事務所で、複雑なオペレーションが求められますので、やりがいがあります。スーダンではアラビア語を学び直し、今後のキャリアに生かすつもりです。協力隊でフランス語とアラビア語に触れていたことが、その先の可能性を広げてくれました。
JICA海外協力隊の活動では、日本から来た隊員が得意の手芸を生かすことで、ベルベル人女性たちの生活を豊かにし、希望を与えることができました。一人の力はわずかですが、小さなアクションが人からコミュニティに広がり、いずれは町や国レベルに広がっていく。そのような活動の一端を担い、目に見える形で国際協力に貢献できた2年間が、心理的にも自分自身のキャリアを方向付けてくれました。
モノやチャンスがないために可能性を生かせない人たちはたくさんいます。自分がその人たちの助けとなる方法を考えた際、協力隊で行ったように、ポテンシャルを開花させるための手段を提供し、一緒に育てていくことに意義を感じました。これから行くスーダンでも、難民、その中でも女性や子どもといった社会的に弱い立場にいる人が社会的・経済的に自立し、尊厳を持って生活できるよう、職業訓練や雇用、教育支援などに携わることができればと思います。
大竹さんのUNV経験レポートは
こちらから
(※1) JOCV枠 UNV制度
青年層のJICA海外協力隊経験者を国連ボランティアとして主に国連機関に派遣する制度。
(※2)UNDP(※United Nations Development Programme) 国連開発計画
国連の開発ネットワークを先導する機関
(※3) JPO(※Junior Professional Officer)
国際公務員を志望する日本の若者に国際機関での勤務の機会を与えることにより、国際公務員に必要とされる経験と知見を養うことを目的として、日本政府の費用負担により最長2年間国際機関に派遣される非正規の専門職員
(※4)UNHCR(※United Nations High Commissioner for Refugees) 国連難民高等弁務官事務所
世界の難民の保護と支援を行なう国連の機関