所長あいさつ

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コロンブスが黄金や香辛料を求めてアジアを目指す中で到着した地。
カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島。
ドミニカ共和国は、北海道よりも少し小さなこの島の東側約3分の2を占めています。

人口約1,100万人のこの国に、鮮やかなコバルトブルーの海と白い砂浜のビーチリゾートを求め、欧米を中心に年間800万人ほどの観光客が訪れます。また観光業に加え、自由貿易地域(フリーゾーン)からの繊維等軽工業品の輸出にも支えられ、近年は5~7%の高い経済成長率を示しています。
この経済成長率は今後も高水準で移行していくと見込まれており、海外からの投資拡大などが期待されていますが、経済発展の裏側では、格差拡大、環境問題がより大きな課題となっています。

JICAは、日本政府が定めた2つの重点分野「持続的な経済開発」、「格差是正」に基づき、様々な協力事業を展開しています。近年では特に「地域観光開発」、「廃棄物管理」、「地方自治体支援」を推進していますが、これまでに1,000名を超える海外協力隊を派遣し、2,000名を超えるドミニカ共和国の人々を日本に研修で受け入れて来ました。また、日本人移住の歴史も胸に刻まれますが、ドミニカ共和国と日本の懸け橋となる日系社会支援も重要な事業となっています。

ドミニカ共和国への日本の協力は、1964年の技術協力に始まります。その後様々な協力を行ってきましたが、日本で研修を受けたドミニカ人が現在省庁の要職に就いていたり、20年以上前に建設した大規模灌漑施設が今でも多くの農産物を産出していたり、多くの成果が引き継がれています。

これまでの協力の成果を大きな財産として、今を見つめ、ドミニカ共和国と日本の関係強化など、この国の人々と共に両国の将来を考えて行きたいと思います。

JICAドミニカ共和国事務所長
近藤 貴之