所長あいさつ

コロナ禍に突入し丸二年が経ちました。
コロナが猛威を奮った最盛期2020年には10万人あたり約60人の死亡率だったのが、今は累計で0.1人程度まで下がりました。グアテマラの悪名高い殺人事件発生率が10万人当たり21人であることと比較すると、新型コロナウィルスは治安よりもはるかに重要な国の課題だったことが分かります。

人々の行動もコロナ前に戻りつつあり、首都グアテマラでは名物の大渋滞が戻って来ました。渋滞がなければ車で30分程度で往来できるところが、2時間かかるのも稀ではありません。コロナ禍での外出制限や学校の停止またはオンライン化などによりしばらくは渋滞のない社会だったので、夜間外出禁止令が続いていた2020年当時の町の静寂が懐かしく感じられるほどです。
5月初旬には一部地域を除いて路上でのマスク着用義務が撤廃されました。グアテマラにおいてはwithコロナの様相が一層強く感じられます。

2021年度はコロナ禍においても事業を継続しました。その間にデルタ株やオミクロン株の流行により、赴任者や出張者の来訪を中止・延期せざるを得ないこともありましたが、各プロジェクトの資材・機材の現地調達を中心に事業を進めました。地域警察プロジェクト活動用に200台のモトクロスバイクを調達、保健分野では25万回分の新型コロナウィルス検査キットの調達を実施しました。
研修事業では日本で研修を実施できない分、グアテマラでの現地補完研修を日本とインターネット接続で実施するとともに、参加者とともにグアテマラでの現地での学びあいを促進する事業を農業農村開発や行政能力強化の取り組みとして推進しました。
同年10月には関係者の派遣を再開することができるようになりました。今年1月には1年10か月ぶりに海外協力隊派遣を再開することができ、グアテマラ事務所一同感激に浸っていました。

2022年度もコロナ禍と共存しながら、効果的な事業をグアテマラの関係者とともに推進していきます。

2022年5月6日
JICAグアテマラ事務所長
山口尚孝