パレスチナでは、イスラエルによる移動・土地利用制限を含む厳しい占領政策等により経済が疲弊し、中央政府や地方自治体が公共サービスを満足に提供できていない地域があります。このため、多くの病院、教育施設、コミュニティの集会所、道路、電力施設などが老朽化しています。また、常に水不足や電力不足の状態にある生活レベルそのものが低い地域もあります。特にヨルダン渓谷地域では、生活の過酷さや占領政策による強制措置等により集団離村が起きる地域もあるなど、公共サービスの改善が強く求められています。
このような背景のもと、技術協力プロジェクト「地方行政制度改善」では、ヨルダン渓谷地域の住民自らが具体的に必要とする公共サービスを整理すべく、コミュニティレベルによる積極的な参画のもとに中期的な開発計画の作成を支援しました。右計画から優先性の高いニーズをもとにコミュニティに資する施設整備・機材供与を行い、住民の生活レベルのボトムアップを図ることを目的として、無償資金協力による支援が行われることとなりました。
このプロジェクトでは、以下のような施設建設、機材供与を行いました。
Al Auja女子校校長のMrs. Samar Badawiは、「改築工事により、教員室、事務室等、用途に応じた部屋割りが可能となり、仕事の効率が上がった。教育環境が整ったことで、生徒、教師ともに教育へのモチベーションが向上した」とコメントしている。
改築によりマルチパーパスルームが設置され、学校は、学習の場としてだけではなく、コミュニティの交流場所としても活用されており、コミュニティ住民の連携強化に貢献している。