「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト フェーズ2(J-PRISM II)」バヌアツリサイクル協会設立を支援

2019年12月12日

モニタリング/3R+Return専門家 大沼洋子

2019年11月25日(月)、バヌアツリサイクル協会(Vanuatu Recyclers and Waste Management Association)の設立式がポートビラで行われました。本協会の設立は、現在実施中の技術協力プロジェクト「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト フェーズ2」(通称、「J-PRISM II」)の支援により実現しました。

設立式には、シャルロット・サルワイ・タビマスマス首相、勝又晴美日本大使、オーストラリア高等弁務官、ニュージーランド高等弁務官、イギリス高等弁務官、フランス大使、環境保護局(DEPC)、ポートビラ市役所(DEPC)、商工会議所、太平洋地域環境計画事務局(SPREP)ほか、62名が出席しました。

シャルロット・サルワイ・タビマスマス首相は基調演説の中で、「バヌアツリサイクル協会の設立を歓迎する。バヌアツの海洋と陸地の環境汚染を減らすためには政府が全ての問題をカバーすることはできず、パートナーシップが必要である。そのためには責任を持つ市民によるコミットメントが必要であり、バヌアツリサイクル協会のようなイニシアチブを通して、共同で努力していくことが重要である」と述べました。

勝又晴美日本大使は、「バヌアツが廃棄物管理の問題に対処するための解決策を見つけるために、バヌアツ政府、他のステークホルダーと共同してリサイクル協会を支援することを楽しみにしている。今後も日本は大洋州においてリサイクル協会設立を奨励していきたい」と祝辞を述べました。

バヌアツリサイクル協会のアンドリュー・ヒブゲイム会長は、「独立したリサイクル協会を設立する目的は、バヌアツに最適な廃棄物管理の解決策を見つけるために、政府、ビジネス界、市民社会のプレーヤーを一堂に集める場を設けることである。今後、バヌアツリサイクル協会が最初に取り組んでいく大きなプロジェクトの1つとしては、飲料容器のデポジットシステムの構築が予定されている。」と述べました。

バヌアツリサイクル協会の会員は、民間リサイクル業者、環境NPO、飲料製造業者等で構成されており、現在はリサイクル業者を通して、廃自動車、廃鉛蓄電池、廃家電等が回収された後、鉄、非鉄金属を取り出し、国外に輸出されています。

バヌアツでは、プラスチック製品や、使用済み飲料容器(PETボトル等)、その他有害廃棄物のリサイクルや適正処理を進めるために輸出する手段が現在はないため、今後はリサイクル協会の活動を通して、民間業者のネットワークや知見を活かした制度設計、リサイクルシステムの構築がバヌアツ国内で促進されることが期待されます。

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設立記念式の集合写真

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サルワイ首相と勝又大使

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アンドリュー・ヒブゲイム バヌアツリサイクル協会会長

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バヌアツリサイクル協会とJPRISM専門家