「エルサルバドルのコーヒー農園から日本のカップへ」-スペシャルティコーヒーの日本市場への進出と次世代人材の育成-

2019年5月18日

概要

会議名:「エルサルバドルのコーヒー農園から日本のカップへ」-スペシャルティコーヒーの日本市場への進出と次世代人材の育成-
開催日:2019年5月18日
主催:JICAエルサルバドル事務所
場所:エルサルバドル国 サンサルバドル市 ホテルクラウンプラザ

主な参加者

主催者挨拶:

JICAエルサルバドル事務所 所長 藤城一雄

セミナー登壇者:

川島 良彰(株式会社ミカフェート代表取締役)
ウゴ・エルナンデス(エルサルバドルコーヒー審議会理事長)
ラウル・リベラ(J.RaulRivera S.A de C.V代表、2017年度課題別研修「先進国市場を対象にした輸出振興、マーケティング戦略」帰国研修員)
アレハンドロ・メンデス(2010-2011世界バリスタチャンピオン)
フェデリコ・ボラ-ニョス(2011年、2019年世界バリスタチャンピオントレーナー)
門川雄輔 JICA青年海外協力隊員(職種:マーケティング、エルサルバドルコーヒー審議会配属)

参加者:

コーヒー生産者、バリスタ、政府関係者など約120名

背景・目的

現在、世界70ヶ国以上で生産されているコーヒー。かつては世界第3位の生産量を誇っていたエルサルバドルのコーヒーは、1979年から1992年まで続いた内戦後に政府が実施した農地改革や産業の国営化、サビ病の流行等の影響により生産量が減り、国際市場での競争力が低下しています。このような状況下にもかかわらず、高品質のスペシャルティコーヒー生産を地道に続ける農園も存在しています。

2018年10月より、エルサルバドルコーヒー審議会配属の青年海外協力隊員を国内有数のコーヒー生産地であるチャラテナンゴ県へ派遣し、スペシャルティコーヒーのマーケティング強化活動に取り組んでいます。マーケティング促進には、エルサルバドルコーヒーの特徴、優位性を生産者自身も含めたより多くの人々に周知することが重要なため、世界レベルでのビジネスを展開する生産者、バリスタたちとの協働による本イベントを開催することになりました。

内容

第一部は、エルサルバドルコーヒー生産者や業界関係者にエルサルバドルコーヒーの価値を再認識し、日本市場に関する理解を深めてもらうことを目的としたセミナーを開催しました。門川雄輔隊員は「人生初のコーヒー農園暮らしでの体験談、日本の消費者の好み」をテーマに講演し、エルサルバドルコーヒー関係者からは「コーヒー生産国初の世界バリスタチャンピオンから見たエルサルバドルコーヒーの優位性」、「世界バリスタチャンピオンになる方法」などの貴重なエピソードが紹介されました。また、JICAエルサルバドル事務所の藤城所長より、2011年の東日本大震災の際に被災地支援としてコーヒー豆を無償提供してくれた9農園主の方々への感謝の意をお伝えしました。そして、エルサルバドルコーヒーとの縁が深く、被災地支援で日本側、エルサルバドル側関係者の懸け橋として活躍された、川島良彰氏(株式会社ミカフェート代表取締役)をゲストスピーカーに迎え、「コーヒーを通じたエルサルバドルと日本の繋がり」について語っていただきました。

続く第二部では、コーヒー業界の将来を担う若手人材の発掘・育成のきっかけ作りとして、エルサルバドル産コーヒーを使った若手バリスタコンテストで18歳から32歳までのバリスタ11名が腕を競い合いました。門川隊員も審査員の一人として活躍しました。
様々な抽出器具を使い、コーヒーの量やお湯の温度も緻密に計算して抽出されたコーヒーは、同じ銘柄にもかかわらず、バリスタによって風味が異なり、コーヒーの世界の奥深さとその魅力を体感する機会となりました。

今回のイベント開催を通じて、コーヒー生産者、バリスタ、これからバリスタを目指す若い世代の参加者が一同に会し、親交を深めることができました。次のステップとして、彼らと日本のコーヒー業界関係者、とりわけ小規模ながら品質にこだわるロースター、インポーターとのネットワーク構築に向けて、JICAは引き続き協力していきます。

資料

関連リンク

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丁寧にコーヒーを抽出する若手バリスタ

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コーヒーの味を審査する門川隊員(右端)

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バリスタ競技会上位入賞者へのインタビュー

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川島良彰氏による講演

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セミナー参加者の集合写真